「ルフィ事件」とシンクロする“ぼったくり被害”多発の裏側 「出会い系アプリを使うのが一番効率的に稼げる」と当事者がうそぶく理由

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お金を持ってる「パパ活」希望者を一本釣り

「SNSの募集に応募してくる女の子は、住所不定や身分証を持っていない“トー横キッズ”と変わらないような20歳前後のコが多い。実際、定宿にしているマンキツ(漫画喫茶)でアプリを駆使して男を引っ掛けるコは少なくない。もともと騙す相手は出会い系アプリの登録者なので彼女たちに罪悪感はなく、上手くいけば1回で数万円を手にできる“おいしいバイト”といった感覚のようだ」(同)

 報酬額と逮捕リスクを天秤にかければ、とても「割のいいバイト」とは思えないが、マッチングアプリを使った“集客”は歌舞伎町以外でも全国的に広く行われているという。その理由が“キャッチ規制”(客引き行為等の防止条例)と「これが一番ラクに稼げる方法だから」という。

「歌舞伎町だけでなく、全国的に路上での客引きが難しくなっている。だからアプリを利用した連れ込みがいまの主流に取って代わった。もう一つ大きな理由は、こっちのほうが効率的に稼げるから。振り込め詐欺が面倒な騙しのトークを省いて直接、目星を付けた被害者宅へ強盗に押し入るようになったのと同じ理由。パパ活アプリに登録している男性なら、ある程度のカネは持っていると見込め、空振りのリスクは低い」(同)

 意外にもぼったくり店側は、1人の客から100万や200万円といった高額を騙し取ろうとは考えていないという。

「いまどき数百万円を1人の客から巻き上げるのはムリ。仮に1人から30万円を奪い、それが月に10人いれば300万円の月収になるといった計算の仕方。あと肝心なのはカードでなく、現金で払わせること。カード決済させても、逃げた後にカード会社に電話され、カードを止められるのがオチ。コンビニのATMから現金を下ろさせるか、残高がなければ限度額までキャッシングさせるのが鉄則だ」(同)

 ぼったくり防止条例違反での立件は「事前の料金説明の有無などの立証が必要でハードルが高い」(前出・社会部記者)というが、法律ができても取り締まれないのでは意味がない。警察当局の強い姿勢が望まれる。

デイリー新潮編集部

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