ウクライナ人学生を「難民貴族」「泥棒」呼ばわり…前橋市の日本語学校理事長が「30万円払え」と言い出したウラ事情

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前橋市の支援策

 会見で清水理事長は、耳を疑うような発言を繰り返した。

《全部学生さんは皆いいところしか取らないですからね。それはわがままでしかないんですよ! はっきり言って、単なるわがままなんですよ!》

《お金を出したくない人が騒いでいるだけなんです。だから、騒いでいる人は学費を踏み倒していっている》

《はっきり言って泥棒ですよ。泥棒がそうやって言い訳してる。他に無償の学校もあるんだから、辞めるのは自由選択じゃないですか》

 一体、なぜこんなことになったのだろうか。経緯を詳しく見ると、「補助金」の問題が浮かび上がるのだ。

 時系列をたどってみよう。そもそもアカデミーが避難学生を受け入れたことは当初“美談”として報じられた。

 NHKは昨年4月4日、「前橋 ウクライナからの避難女性29歳 日本語学校で初授業 日本でアルバイト探しも」の記事を報じた。

 29歳のウクライナ人女性が知人を頼って前橋市に避難。すると《市内の日本語学校が避難してきた人たちの生活を支援しようと無償で受け入れることになった》と伝えた。無償という言葉が明記されていたことが分かる。

 前橋市は13日、ウクライナからの避難民に対する支援策を発表し、翌14日、地元メディアが相次いで報じた。この稿では読売新聞・群馬県版「ウクライナ支援 避難者へ15万円 前橋市」の記事から引用しよう。

《生活費として1人当たり15万円の一時金を支給し、さらに生活費が必要な避難者には、最長で1年間、単身世帯で月に最大15万円を給付する》

 さらに《市営住宅を無償で最大18部屋提供》するとし、興味深いことに日本語学校に通う場合にも《授業料など約30万円分を負担する》と報じられた。

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