来春の朝ドラヒロイン「伊藤沙莉」が語った“アルバイト時代” 「“ニート”の時期が長かったんです」

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 来年4月スタート予定のNHK連続テレビ小説「虎に翼」のヒロインを、女優の伊藤沙莉(28)が務める。デビューから20年。女優スピリットが強く、作品のためなら脱ぐことも厭わなかった。仕事が途切れると、アルバイト生活をしていた。ちょっと古い表現だが、苦節に耐えた「おしんヒロイン」の誕生だ。

仕事がなく、アルバイトをしていた時期もある

 役柄を離れた素顔の伊藤沙莉は飾り気が全くない。インタビューをすると、言葉の端々から実直な人柄を感じさせる。

「(10代後半は)1つの作品が終わると、しばらくニートの時期が長かったんです。子役仲間は仕事がない時期を『ニート』って呼ぶんですよ。自分を卑下する意味も込めて。仕事をしてない自分に納得していない子が、特にそう言いますね。その空いた時間の過ごし方はそれぞれ違うんですが、私はたくさんアルバイトしていました」(伊藤のインタビューから、以下同)

 子役出身者は井上真央(36)や宮崎あおい(37)らのように陽の当たる道を歩み続ける人もいる一方で、大人への成長期で壁にぶち当たる人も多い。

 伊藤にも足踏み状態になった時期がある。11歳だった2005年に出演した子役時代の代表作「女王の教室」(日本テレビ)の放送後、一躍売れっ子になったが、10代後半には切れ目なく仕事がある状態ではなくなった。だからバイトもした。もっとも、女優をあきらめるつもりはなかった。

「特に勉強が出来たわけではありませんし、ほかにも得意なことはありませんから」

 バイト先を演技の勉強の場と考えた。人間観察に励み、さまざまな人の生態を記憶した。それを伊藤は「人間ファイル」と呼ぶ。

「バイトはあえて(さまざまな人と出会える)接客業ばかりしていました。モノマネというわけではないのですが、演じる役が人間ファイルの中にある人に近い場合、自分にグッと引っ張ってきます。それが役を作り上げていく上でのリアルになると思うんです」

 千葉市に生まれ、9歳だった2003年に「14ヶ月~妻が子供に還っていく~」(日本テレビ)でデビュー。キャリアは20年になる。劇団などで演技を学んだことはなく、すべて独学だ。

「演技のレッスンが本当に嫌いだったんです(笑)。お芝居のワークショップに一度参加したくらいですね」

 それでも演技がうまい理由を問うと、本人は照れながら「出会った人、出会った作品が良かったとしか言いようがありません」と語ったが、もちろん謙遜だ。実際には努力家。ほかの女優が尻込みしそうな作品にも果敢に挑戦してきた。

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