米国82%、ロシア78%、日本はわずか0・02%…核シェルターの普及率が極めて低い根本的原因

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 ロシアがウクライナに侵攻して1年が経過した。

 ロシアとウクライナの間で停戦交渉が開始される兆しはなく、「終わりの見えない戦いが続く」との暗い見通しが支配的となっている。

 軍事力で劣るウクライナは西側諸国からの軍事支援を受けて善戦してきたが、徐々に劣勢になっており、生き残りを図るために「世界中をロシアとの戦争に巻き込む」戦略をとらざるを得なくなっている。

 だが、この状況は危ういと言わざるを得ない。ウクライナ戦争は核兵器の使用を伴う第三次世界大戦につながるリスクをはらんでいるからだ。

 ウクライナ戦争が長期化するにつれて、世界では「ウクライナ危機が世界政治の転換点になる」との認識が強まっている。

 ミュンヘン安全保障会議が2月13日に公表した国民意識調査によれば、多くの国でロシアのウクライナ侵攻を世界政治の転換点と捉える回答が過半数を占めた。

 ミュンヘン安全保障会議は、毎年2月、ドイツ南部で世界各国の首脳らが集まり、外交・安全保障問題を議論する場だ。この調査は昨年10~11月に実施された。

 主要7カ国(G7)で最高だったのはイタリアで68%、次いでドイツが65%、英国が58%、米国が55%だったが、日本は45%とG7の中で最低だった。

 欧州大陸から離れているため危機意識が広がりにくかったのかもしれないが、同じアジアでもインドが59%、中国が57%と欧米諸国と同水準だ。

 日本の安全保障を巡る環境はこれまで平穏だったが、現下の情勢は悪化の一途を辿っている感が否めない。

 核兵器を保有するとされる北朝鮮は連日のように日本周辺に弾道ミサイルなどを発射しており、政府はその対応に忙殺されている。

 世界第3位の核保有国である中国が台湾へ武力侵攻する可能性も高まっていると言われている。「台湾有事は対岸の火事ではなく、日本有事に直結する」というのが軍事専門家の共通見解だ。

 こうした中、自民党の石破茂元幹事長は2月15日、衆議院予算委員会で約10年ぶりに質問に立った。安全保障を中心に持論を展開し、「独演会」の様相を呈したことが話題を呼んだが、筆者が注目したのは石破氏が「国民を守るために核シェルターの整備が必要だ」と強調したことだ。

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