日本に1台しかない「レクサス」を盗まれた男性の告白 オークションサイトでパーツが売られているのを発見、販売していた解体業者を突き止めるまで

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「1分足らずで盗み出された」

「知人に教えられて、オークションサイトに出品されているパーツを目にした時は驚きましたよ。無残にもバラバラにされていたのを見て悔しさが込み上げてきました……」

 そう語るのは大阪在住の男性実業家である。彼が所有するトヨタの高級車「レクサスGS F」が、自宅の駐車場から忽然と姿を消したのは今年1月18日のことだった。シルバーの車体が眩しい特別仕様車で、価格はおよそ1000万円――。国内で1台しか製造されていない限定車ということで、オーナー男性の思い入れが強いのも頷ける。それが盗難被害に遭ったとなれば、憤りを覚えるのも当然だろう。防犯カメラに映し出されていたのは、あまりにも手際の良すぎる犯行だった。被害男性によれば、

「深夜に1台の車が自宅近くに横付けされると、そこから降りてきた男が駐車場に侵入して、わずかの間に私の車のドアロックを開けてしまった。リレーアタック(スマートキーの微弱電波を拾い、増幅させることでドアロックを解除する手口)と呼ぶようですが、1分足らずで車を盗み出されました。私が気づいたのは翌朝、出勤するときで、警察にはその時点で通報しています。窃盗団が“あの車を盗めば金になる”と犯行前から狙いをつけ、周到に準備していた可能性もあると思います」

 まもなく、被害男性の自宅からほど近い山中でナンバープレートだけが発見される。その後、男性は同じく自動車を愛好する知人の協力を得て、独自にSNS上で愛車の写真を公開し、情報提供を呼び掛けた。また、近隣のパーキングなどをしらみつぶしに当たったが、めぼしい成果はなかった。

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