トー横キッズで「咳止め市販薬オーバードーズ」が流行 一度に100錠も…路上で卒倒する少女たちの衝撃動画

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子供たちに混じって大人たちも

 こう話すのは、トー横キッズたちと交流を続けるYouTuberのヒロ氏である。確かにヒロ氏の言う通り、Twitterでメジコンと検索してみるとOD(オーバードーズ)などの言葉とともに、〈メジコンはやばすぎ まともに歩けない 量へらさな〉〈一回メジコンを経験したら他に戻れない〉などの書き込みが大量に出てくる。

 Twitter上には、トー横前の路上に、オーバードーズに利用した跡のなのだろう、紫色のメジコンの空き箱が10箱くらい散乱している写真も見受けられた。

「最初は20~30錠くらいだそうですが、“もっと飛びたい”と、量を増やしていくようです。100錠くらい一気飲みして、病院に担ぎ込まれるキッズもいます」(ヒロ氏)

 ヒロ氏が見せてくれた動画には、成人男子がオーバードーズしている様子を映したものもあった。警察官二人が見守るなか、路上に倒れこんだ金髪の男性が「おしっこさせてよー」と苦しげに話している。

 ヒロ氏によれば、この男性は、コンビニエンスストアの店員に因縁をつけ、自転車に乗ったまま店内に侵入するなどして業務を妨害した容疑で2月9日に逮捕された人物だという。男はトー横キッズの支援団体『歌舞伎町卍会』の副総長を名乗っていた。

歯止めになっていたハウル

 卍会を巡っては、昨年、総長だったハウルこと小川雅朝・元被告が16歳の家出少女に淫らなことをしたとして逮捕されたのち、収容されていた東京拘置所で突然死したことがニュースとなった。だが、ヒロ氏は「ハウルがいた頃はこんな光景は見受けられなかった」と振り返る。

「確かにハウルは、自分の欲望を満たす目的で少女たちに近づいていた、とんでもない男だった。でも、『クスリは絶対ダメだ』とキッズたちに厳しく言い続けていたんです。オーバードーズにもうるさくて、やっている子を見つけると飛んでいって注意していた。トー横でオーバードーズが流行り出した背景には、ハウルの死も関係していると思います」

 オーバードーズに詳しい精神科医の片田珠美氏はこう語る。

「昔から液体シロップ状の咳止め薬はオーバードーズの対象になってきました。この薬に含まれているリン酸コデインを大量に服用すると、頭がふわっとして酩酊感や多幸感が得られるということで、嫌なことを忘れたいと願う人たちが濫用してきたのです。メジコンには麻薬性物質は含まれておりませんが、中枢性の鎮咳薬であることには変わりがないので大量摂取すると酩酊感や多幸感を得られます。いま精神科医の間で問題となっているのは市販薬や処方薬などの合法ドラッグの濫用です。覚せい剤などの違法ドラッグと違って入手が容易なため、咳止め薬だけでなく、睡眠導入剤や抗不安剤、鎮痛剤などをオーバードーズするケースも増えています」

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