男性より女性に筋トレが必要な理由は? 要介護期間を短くするための「スマート・エイジング」実践術

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 誰もが密かに期す。いつまでも若々しくいたいと。そしてアンチ・エイジングに励む。だが、そこには“誤解”が潜んでいるという……。人生100年時代、健康長寿を実現するためにいかに賢く年を重ねるべきか。専門家が説く「スマート・エイジング」のススメ。【村田裕之/東北大学特任教授】

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 人生100年時代を迎え、少なくない人が「アンチ・エイジング」に励んでいます。

 いつまでも若くいたい、若く見られたい。そう願うのは悪いことではありません。今年61歳になる私自身、高校や大学時代の同級生から「お前、老けたな」と言われたくないという気持ちは持っています。しかし、アンチ・エイジングを「若返り」として捉える風潮には違和感を禁じ得ません。

 エイジング(ageing)は日本語で「齢(よわい)を加える=加齢」です。エイジングの本質は「時間とともに対象(人・モノ)の性質が変化すること」です。例えば「熟成ワイン」「熟成肉」などはエイジングの肯定的な側面です。一方、「加齢臭」「加齢性疾患」などは否定的な側面です。

アンチ・エイジングは若返りではない

 ところが、世の中ではエイジングの否定的な側面が強調される傾向があります。これに抗する意味で、アンチ・エイジングという言葉を使っている人がいます。

 しかし、エイジングとは実は「生き続けること」に他なりません。そのアンチということは生き続けることの否定、つまり死を意味します。したがって、「アンチ・エイジング」が「若返り」であるとの認識はそもそも誤っているわけです。

 その上で、高齢化が急速に進行する今の社会において、私は「スマート・エイジング」の考え方こそが重要であると考えています。

〈こう提唱するのは、東北大学特任教授の村田裕之氏だ。

 シニアビジネスおよび高齢社会の研究を続けてきた村田教授は2009年、同大加齢医学研究所の下に「スマート・エイジング国際共同研究センター(現在は、スマート・エイジング学際重点研究センター)」を、脳トレで知られる同大の川島隆太教授らとともに設立。医学、心理学、社会学などさまざまな視点からスマート・エイジングに関する知見を積み重ねてきた。

 以下は高齢社会研究の専門家である村田教授による、スマート(賢い)なエイジング(年の重ね方)のススメである。〉

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