テレビ離れが指摘される中…10代に人気の番組は3位「クイズ小学5年生」、2位「イッテQ」、1位は?

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ドラマで断トツなのは…

 もっとも、ベスト20となると、ドラマも入ってくる。ドラマに限ると断トツの数字なのが、TBS「夕暮れに、手をつなぐ」である。17日放送の場合、世帯視聴率は8.0%に過ぎないが、T層個人視聴率は4.0%だった。

 広瀬すず(24)とKing & Princeの永瀬廉(23)によるド直球のラブストーリーで、やっぱり分かりやすい。TBSとしては狙い通りだろう。20代前半の2人によるラブストーリーを、50代以上が積極的に観るとは最初から思っていないはず。プロのテレビマンなのだから。

 すると世帯視聴率は上がらないものの、もう使っていないのだから、どんなに低くても気にしない。いまだ誤解している人も見受けられるが、「世帯視聴率2ケタがドラマの合格ライン」なんて時代はとっくに終わっているのである。

 ほかにドラマでT層個人視聴率が良かったのは、フジ系「罠の戦争」(1月16日)、日テレ「ブラッシュアップライフ」(同22日)だが、それでもT層個人視聴率はともに2.8%。「夕暮れに、手をつなぐ」は頭1つ抜けている。

 50代以上はラブストーリーを好まない傾向があるが、一方で10代は人情喜劇や人生賛歌をあまり観ないだろう。世代によってドラマの趣味は異なる。

 全世代が楽しめるドラマが理想であるものの、それをつくるのは至難の業。50代以上が読む雑誌と10代が好む雑誌の中身は大きく異なるのと一緒。ドラマはターゲットに合わせてつくる時代になっている。

 それが可能になったのも個人視聴率時代になったから。時代が変わったのに世帯視聴率の良し悪しでドラマを論じることは乱暴なのだ。

高堀冬彦(たかほり・ふゆひこ)
放送コラムニスト、ジャーナリスト。大学時代は放送局の学生AD。1990年のスポーツニッポン新聞社入社後は放送記者クラブに所属し、文化社会部記者と同専門委員として放送界のニュース全般やドラマレビュー、各局関係者や出演者のインタビューを書く。2010年の退社後は毎日新聞出版社「サンデー毎日」の編集次長などを務め、2019年に独立。

デイリー新潮編集部

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