山口ダブル補選で“下関戦争”はどうなる? 昭恵夫人の「沈黙」に林派は疑心暗鬼

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「昭恵さんは林家に下関を渡したくないのでは?」。こう語るのは、林芳正外相(61)を支持する山口県の政界関係者だ。4月にダブル補欠選挙が行われる公算が大きくなった山口県では、林家vs安倍家のにらみ合いが続いている。中選挙区時代、「下関の角福戦争」と呼ばれた名門一家のバトルが再燃しているのだ。下関市議を亡き夫の後継に指名した安倍昭恵氏(60)の思惑は――。

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入院説も飛び交う岸氏の病状

 もともと山口4区は、安倍晋三元首相が亡くなってから空席になったままで、4月に補欠選挙が行われる予定だった。年が明け、岸信夫前防衛相(63)が2月上旬で辞職する意向を固めたため、岸氏の選挙区である山口2区と合わせてダブル補選となる見通しになった。

 だが岸氏は、昨年12月の段階ではこの展開を否定していた。

「岸さんは12月11日に山口県岩国市で開かれた後援会の会合で、次の衆院選には出馬せず、長男の信千世氏(31)に継がせたいと表明しました。ただし報道陣には、『残りの任期はしっかり務めたい』と語っていたのです」(地元記者)

 なぜ急に態度を変えたのか。真っ先に挙げられるのが病状の悪化である。

「岸さんの病気は、筋力が低下する進行性の遺伝性疾患である筋ジストロフィーではないかと言われています。正月を挟んで急激に病状が悪化し、『慶応病院に入院した』という噂が出回っています」(永田町関係者)

確実に世襲させたい岸家の思惑

 一方、「確実に地盤を息子に継がせたいという岸家の戦略だろう」と語るのは、県連関係者である。

「10増10減の区割り変更で、次の衆院選から山口の選挙区は4から3に減る。岸さんが信千世氏に継がせたい新2区は、現1区の自民党現職・高村正大氏(52)も狙っている。自民党では現職優先のルールがあるので、岸家は補選で信千世氏を現職にして、高村氏と同格にしておきたい思惑があるのです」

 4区の安倍氏後継候補は、すったもんだの挙句、ようやく12月末に、下関市議の吉田真次氏(38)に決まった。当初、真っ先に名前が上がったのは昭恵氏だったが、本人は固辞。その後は、晋三氏の兄・安倍寛信氏の子息や、下関市長の前田晋太郎氏などの名が挙がっては消えを繰り返した上での決定だった。

 当初、後継選びの鍵を握っているとされていたのは、晋三氏の母・洋子さん(94)だった。だが今は、そんな話は聞かれないという。高齢の洋子さんは、息子に先立たれたショックも加わり、「口を出せるような体調ではない」(前出・永田町関係者)という。

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