山口ダブル補選で“下関戦争”はどうなる? 昭恵夫人の「沈黙」に林派は疑心暗鬼

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 代わりにイニシアチブを握ったと言われているのが昭恵氏だ。吉田氏本人も、12月30日に開いた出馬会見で、「12月中旬に昭恵夫人から話があった」と明かしている。実際、昭恵氏は吉田氏のことを、いたくかわいがっているという。

「ほうぼうで『夫の遺志を継いで欲しい』と語っています。どうやらワンポイントリリーフではなく、新3区に組み込まれる下関の地盤を継がせようと考えている節があるのです」(前出・県連関係者)

 そんな昭恵氏側の動きに、林氏側はやきもきしているわけである。林氏側は、補選では吉田氏を応援するが、その後は下関を明け渡して欲しいという考えだ。

 林氏は現在、山口市を宇部市を中心とする3区を選挙区としているが、もともと林家は下関市を地盤としていた。中選挙区時代は、芳正氏の父・義郎氏(1927~2017)と晋三氏の父・晋太郎氏(1924~1991)がバチバチに争い、小選挙区制度に移行した際、林家が安倍家に譲った経緯がある。

 昭恵氏は下関を林家に譲る気はあるのか。吉田氏の出馬会見でも、記者たちの質問はそこに集中した。

――新3区になった後も議員を続ける意志はあるのか。

「現在決まっているのは4つが3つになるだけであり、解散がいつになるかはまったく決まっていない状況。本日は第4選挙区から補欠選挙で出るという会見で、まだ現職ではないため、そこについて私が答えるべきではないと思う」

――とはいえ、引き継ぐ以上は新3区に出るのが当然ではないか。

「繰り返しになりますが、私は現職ではないので、そこについて発言するのは適切でないと思う」

――(安倍晋三氏の)意志を継ぐということは、新3区でも国会議員なるべく続けていくということになるのではないか。

「現職でもなんでもないので、解散総選挙がいつあるかわからない。いずれにしても4区から出て活動していきたいという会見ですので、それでご承知いただければ」

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