世界経済のグローバル化に異変 かつてないほど大きくなった負の影響で心配な“戦争リスク”

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 日本経済新聞は1月1日から「Next World 分断の先に」と題する連載記事を掲載した。元旦の1面トップのタイトルは「グローバル化、止まらない」だった。

 ロシアのウクライナ侵攻など分断の嵐が世界を襲い、グローバル化が停滞することへの危機意識の表れだ。

 国際通貨基金(IMF)のゲオルギエワ専務理事と世界貿易機関(WTO)のオコンジョ・イウェアラ事務局長は昨年12月29日、そろってグローバル化の逆流がもたらす負の影響に警鐘を鳴らしている。

 ゲオルギエワ氏は「グローバル化はロシアのウクライナ侵攻などで第2次世界大戦以降で最大の試練に直面している」と指摘した上で「我々全員がより豊かになる貿易をやめないでほしい」と訴えた。

 世界銀行によれば、国境を超えてヒト、モノ、カネが行き交うグローバル化により、世界の総生産(GDP)は過去1000年間に約580倍に拡大したという。

 オコンジョ・イウェアラ氏も「世界経済が2つのブロックに分かれてしまえば、世界のGDPは長期的に5%押し下げられる」との試算を示した。

 思い起こされるのは1930年代の「ブロック経済圏」だ。

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