「20年間で一番食卓の雰囲気が良かった」 日本代表専属シェフが明かすW杯大躍進の舞台裏

スポーツ

  • ブックマーク

Advertisement

「最後の最後に外しちゃったな」

 決勝トーナメント1回戦では惜しくもクロアチアにPK戦で敗れ、サムライブルーのW杯は終わった。

「最後の夕食には、記念にケバブなどのカタール料理を出してみたんです。でも、選手の皆さんからは“いつもの方がよかったな”と言われて……。最後の最後に外しちゃったな」

 と笑う西シェフ。

 4年後の厨房にも不可欠な存在という気もするが、なぜ引退を決意したのか。

「還暦を迎えて潮時かな、と思ったのもありますが、何より、選手の皆さんは“あとがない”状態で戦っているでしょ。そんな中で私だけがずっと残って料理を作るのは違うんじゃないか、という思いが募って……。自分もその状況に追い込めば、監督や選手の皆さんと真に同じ仲間として闘ったことになる。おかげで素晴らしい光景を見ることができましたよ」

 躍進の陰には、「12番目の選手」のアシストがあった。

週刊新潮 2023年1月5・12日号掲載

ワイド特集「ウサギの耳は地獄耳」より

前へ 1 2 3 次へ

[3/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。