伯父が語った山上容疑者の近況 出所後に向けて「英検1級の問題集を差し入れた」

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「子どもですから」

 さて、その山上容疑者の実母は本誌に何を語ったのか。

――彼の弁護士とはやりとりをしていますか。

「時々は、しますよ」

――どんなことを伝える?

「別に、何も伝えません」

――弁護士を通して伝えたいことはないのか。

「私のほうが(弁護士から息子の)様子を聞いているだけですよ」

――ところで、現在も統一教会を信仰している?

「それは、前から言っていますけど、そうです」

――彼の犯した事件の重大さは理解していますか?

「残念ながら私も、そこにどうやって行ったのか……わかりません」

――「そこ」とは?

「事件になったのが……」

――なぜ事件に至ったのかわからない、と。

「ええ、ええ……。反対していましたけど」

――反対していた?

「教会に対して、ですね。私に対して、言っていますでしょ。(これまでの)記事にいっぱいあるでしょ」

 統一教会に「反対」はしていたが、なぜそれと事件がつながったのか理解できないということらしい。

――改めて、銃口を安倍元総理に向けた動機は。

「私もわかりません……」

――どうして政治家を?

「それも……また……裁判とかね、そういうので出てくるかと思います」

 母親は最後にこう言った。関西なまりのその言葉には、少し力を込めたようなニュアンスがあった。

「(自分の)子どもですから。みんな、そうでしょ。一緒でございましょう。あなたがね、大切に思いはるのと同じで、一緒でございましょう」

 いかなる犯罪をなそうとも、わが子はわが子。

 統一教会と縁を切ってほしいという息子の願いに応えなかった母親にして、なおもそんな思いを口にしようとは……。

週刊新潮 2023年1月5・12日号掲載

ワイド特集「ウサギの耳は地獄耳」より

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