YouTube詐欺に引っ掛かった被害者2人の実例 共通点は中国語訛りの日本語を話す怪しげな人物

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強調する“ポイントサービス”

「なぜ日本名を名乗っているのか?」と質問したこともある。「ハーフ」と答えた担当者は「本名です」と説明した。外国籍であることを認めた担当者は「仕事上の名前です。本名は〇×△……です」と答えた。

 とにかく、担当者が怪しげな人物であることは明らかだった。そして、彼らが勧めてくるキャンペーンの内容は、投資関係がほとんどだった。こんな具合だ。

「今なら500ドルの投資で700ポイントになりますよ。普通はメンバーになっただけだと100ポイントのサービスで、100ドルごとに100ポイント加算されますが、今、500ドルを申し込んだらさらに100ポイント追加されて、合計700ポイントからスタートできますからとてもお得ですよ……」

 早口で片言の日本語で説明する。投資対象は何なのか、株式なのか仮想通貨なのか、そんな説明は皆無で、とにかく“ポイントサービス”を強調してくることが特徴だ。

 投資金額の単位はアメリカドルで100ドルということが多い。電話によるリモートコントロールを使い、ホームページ上で再度、暗証番号を入力させ、「投資金額入力ページ」にアクセスするよう熱心に誘導してくる。登録者から金をむしり取ろうと必死だ。

ドイツからの着信

 繰り返すが、彼らは何の商品説明も行わない。ひたすらポイントサービスであることを強調し、ネット上でクレジットカードを使わせようとする──こんなものがまともなセールス行為と言えるはずがない。

 たいていの人も、この時点で怪しいと感じる。担当者とのやり取りを打ち切ろうとするのだが、本当の地獄はこれから始まる。担当者との接触を断つのは、決して簡単なことではない。

 例えばAさんの場合、「何もしないで月50万円稼げる!」という広告に関心を持ち、ホームページでの登録が完了するまでは期待に胸を膨らませていた。

 ところが、その後に連絡してきた担当者の怪しさに嫌気がさし、「もうやりません」と告げた。しかし翌日からは、非通知だけでなく番号を通知した状態でも、Aさんのスマホに電話がひっきりなしにかかってきた。

 表示された番号は、ドイツやスペインといった国番号だったという。ただし、スマホの場合、ドイツの国番号である「49」が表示されても、本当にドイツから発信されているとは限らない。

 ドイツで登録されたスマホだと、別の国から発信してもドイツの国番号が表示されてしまうのだ。よって、実際にどこから電話をかけているかは不明である。

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