「感染爆発」の中国が報復措置で居直り“恫喝”! その裏で進む「集団免疫」獲得の企み

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今度は「集団免疫」獲得に奔走か

 実際のところ、中国の感染状況はどうなっているのか。

「昨年12月25日、浙江省の衛生当局が“1日あたりの省内の新規感染者数が100万人を突破した”と発表しました。さらに中国全土ではすでに“6億人が感染した”との推計も存在します」(前出・全国紙デスク)

 との話は流れているものの、ゼロコロナからの撤退で大規模なPCR検査を取りやめたため、「政権側も正確な感染者数は把握できていない」(同)との声もある。

 中国事情に詳しい「infinity」チーフエコノミストの田代秀敏氏がこう話す。

「広大な国土を持つ中国では現在、感染のピークと収束時期が都市によってズレを見せている状況にあります。中国最大の検索エンジン『百度(バイドゥ)』が公開している感染のピークと収束予測によると、北京は昨年12月12日にピークを迎え、今月13日に収束。他方、深圳は前月22日がピークで、収束は1月26日。広州のピークは前月21日、収束は2月1日と予測されています。感染がほぼ収束しつつある北京と比べ、深圳や広州は収束までにまだ時間がかかることが示唆されている。日本のメディアなどで火葬を待つ遺体が山積みになっている映像が流れましたが、それらの遺体の多くはコロナ感染死した人でなく、コロナ患者の急増で医療逼迫が起き、その煽りを食った基礎疾患などを持つ高齢者とされます。医療インフラが非常に脆弱な中国では、ゼロコロナ解除の影響として当初から予測されていた事態です」

 田代氏によれば、新たな“社会インフラ”と化しつつあった宅配ドライバーにも感染が広がり、集配センターに配達できなくなった荷物が山積みになっている光景も各地で見られるという。

「中国では1月22日に春節(旧正月)を迎え大型連休に入るため、帰郷などで国内移動が活発化することが予想されています。現在の流行の主体は感染力は強い反面、重症化率の低いオミクロン株であることから、国営英語放送CGTNは“この冬に感染の波が中国全土を覆うことで86万6000人~104万人が死亡する”可能性に言及した後で、続けて“それにより集団免疫を獲得する”ことが予測されていると報じました。つまりゼロコロナ解除の先に、習近平政権は日本などと同じく“ウィズコロナ”へと移行する意図と見られています」(田代氏)

 国内の感染対策に本腰を入れる気がないなら、周辺国が入国規制を強化するのは当たり前だ。“独善”中国に付ける薬はあるのか。

デイリー新潮編集部

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