巨人、FA参戦せず…他球団が逆に警戒感「大型補強がないからこそ怖い」

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“静かなオフ”

 2年連続で優勝を逃し、5年ぶりとなるBクラスに転落した巨人。2021年オフに新たに3年契約を結んだ原辰徳監督が一時、“進退伺”を提出するなど苦しい状況となっている。そんな巨人で、さらに気になるのがストーブリーグでの動きだ。【西尾典文/野球ライター】

 これまでは優勝を逃すと大型補強を繰り返すのが常だったが、フリーエージェント(以下FA)戦線では、昨年に続いて獲得選手はゼロ。ドラフトと新外国人以外の補強となると、広島から無償トレードで復帰する長野久義、ソフトバンクを自由契約となった松田宣浩、現役ドラフトで楽天から獲得したオコエ瑠偉だけである。

 今後トレードに動く可能性もあるが、続々と大型契約で補強しているソフトバンクなどに比べると、非常に“静かなオフ”になっている。かつてはFA補強と言えば、巨人というイメージが強かったが、近年は他球団との争奪戦に敗れるケースが増えている。

 こうした背景には、現在の巨人の方針、そして選手の“気質”が関係しているのではないかと在京スポーツ紙記者は指摘する。

「やはり大きいのは、育成契約の“乱発”ではないでしょうか。このオフには、FAで獲得した梶谷隆幸も育成契約になりました。複数年契約で年俸が保障されているとはいえ、実績がある選手でもプレーできなければ、容赦なく育成になるということに抵抗を覚える選手が多いようです。昔は誰でも『最後は巨人のユニフォームを着たい』という声があり、『元巨人』というだけで、引退後の立場も変わると言われていました。ですが、現在はそういった恩恵が少なくなっています。それでも、何かあれば巨人の選手は、メディアやファンから叩かれやすいという状況は変わっていません。(広島からFA移籍した)丸佳浩のように、精神的に相当、タフな選手は良いかもしれませんが、条件がそれほど変わらないのであれば、野球に集中するには、巨人以外の球団が良いと考える選手が増えているのではないでしょうか」

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