元中小企業庁長官が「コンパニオンと混浴接待」「1100万円使い込み」騒動 東証プライム上場企業を揺るがす“仁義なき全面対決”の行方

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 取引先との接待の場に「女性コンパニオンを呼んで混浴」したことは、正当な業務の一環と言えるのか――。東証プライム市場に上場する企業を舞台にいま、“混浴接待”の是非をめぐる論争が起きている。“いまどき、こんな接待があったのか!?”と驚きの声が上がる一方で、「公私の境界線」について当事者間の主張は真っ向から対立している。

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 発端は9月15日、プロパンガス事業を手掛ける「TOKAIホールディングス」(本社・静岡市)が「不適切な経費の使用があった」として、前社長の鴇田(ときた)勝彦氏(77)を解職したことだった。

 鴇田氏は通商産業省(現・経済産業省)に入省後、防衛庁整備局長や中小企業庁長官などを歴任した元官僚で、石油公団理事を経て、2005年に同社の代表取締役社長に就任。同社の社内規定で定められた定年は70歳だが、鴇田氏は適用を除外され、退任の判断も自身に委ねられていたという。

 解職を機に、同社は社外有識者らで構成される特別調査委員会を設置。今月15日、鴇田氏の“不適切支出”に関する調査報告書が公表されたのだが、その内容に関心が集まっている。

 調査委によると、16年4月からの約6年間で会食や宿泊に関連して少なくとも253件、計約1110万円の支出が「業務との関連に疑義がある」と認められたという。報告書には、鴇田氏が実際の会食相手と異なる人物の名前で経費申請した事例などに加え、「あるまじき品位を欠く行為」として強く指弾されたのが、解職理由のひとつとなった“コンパニオンとの混浴接待”だった。

44回の「混浴」接待

 鴇田氏が参加した、問題となっている「接待」は長野県にある同社所有のゲストハウスで行われた。報告書では、コンパニオンとの混浴を伴った取引先との接待などが「約44回」あったとされ、詳細をこう記す。

〈女性出張コンパニオンを手配した場合には、おおむね毎回、露天風呂において男性はタオルで局部を隠し、女性は湯あみを着用した状態で、混浴を実施していたことが認められた〉
 
 これに対して、鴇田氏は12月4日に提出した書面で〈全て会社の経費として管理部自体が承認しているものばかりで、この費用の一部であるコンパニオン費用が私の私的経費という指摘は、全くの的外れ〉(原文ママ)と反論。

 さらに混浴には同社の他の取締役も参加していたことから、〈仮に「混浴」が品位を欠く行為とされるのであれば、これに参加した(別の)役員も同様の批判を受けるべき〉と訴えた。

 鴇田氏の主張は「会社の業務に関連するものであって、公私混同して経費を使用したものではない」と一貫しているが、調査委は“混浴”について同社グループのコンプライアンス規定にある「会社の信用を傷つけ、不名誉となる行為」に該当するとした。

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