M-1 ピン芸人「山田邦子」に漫才の審査ができるのか 本命視されていた上沼恵美子の後釜の名

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巨人と上沼

「つまり漫才は趣味程度だったわけです。M-1は漫才の頂上決戦の大会です。相方と呼吸を合わせ、磨きをかけた“しゃべくり芸”が漫才です。古くは中田ダイマル・ラケット、夢路いとし・喜味こいし、Wヤング、横山やすし・西川きよしらに受け継がれ、ツービート、紳助・竜介、オール阪神・巨人、B&B、ザ・ぼんちらの“漫才ブーム”を経て、中川家、笑い飯、ミルクボーイなどM-1優勝者へと続いてきた伝統芸です。言うまでもありませんが、M-1審査員を務める松本さんは漫才コンビのダウンタウンとしてデビューし、天下を取った。勇退した上沼さんは紳助さんも尊敬してやまない海原千里・万里の千里であり、巨人さんも同様、漫才を審査される側にとっては畏怖と尊敬の対象でした」

 その点、山田は違うというわけだ。

「天下を取ったといってもピン芸人であり、コンビやトリオのしゃべくりではありません。その審査が果たして的確なのか、不安を覚えます。若い人は知らないでしょうが、彼女は不倫報道の際、芸能レポーターに放った罵声がワイドショーで炎上して、坂道を転げ落ちるようにレギュラー番組を失っていきました。また、彼女は3年前にデビューから所属していた太田プロを辞めましたが、あまりいい形での独立とは言えませんでした。そんな彼女に、かつてほどの好感度がないことを、ABCテレビは知らないのではないか」

 では、誰が審査員ならよかったのだろう。

全国区の大会のため

「たけしさんも絶賛していた姉妹漫才、海原やすよ・ともこを本命視していたんですけどね。引退した上沼さんの師匠である海原お浜・小浜の小浜の孫が“やすとも”です。小浜の息子、つまり2人の父も元漫才師で、親子3代で上方漫才大賞を受賞している名門ですから、審査員として不足はありません。特にともこの夫は元男闘呼組の前田耕陽というウリもあります」

 それでも山田が選ばれたのはなぜか。

「関東地区で視聴率を取るため、全国区の知名度を考えたのでしょう。M-1発案者で吉本興業ホールディングス元取締役の谷良一氏は、関西ローカルの大会にしないために審査員を大阪芸人だけにしなかったと聞きます。そこで邦子さんに白羽の矢が立ったのでしょう。また、彼女はたけしさんや紳助さんとも親しかったため、松本さんも一目置かざるを得ないという政治的対策も考えたのかもしれません」

 かつて英国の首相ウィンストン・チャーチルは、絵を一度も描いたことがない人が美術展の審査員をやっていることをどう思うか尋ねられて、こう答えたという。

《私はタマゴを産んだことは一度もありませんが、タマゴが腐っているかどうかはわかります》

 元天下人の実力を見せてもらいたい。

デイリー新潮編集部

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