抗肥満薬「オルリスタット」処方箋なしで販売可能へ ネットは賛否両論「夢の痩せ薬」「パンツがラー油まみれに」

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 夢の新薬か、はたまた――。11月28日、厚生労働省は、大正製薬が販売を予定している抗肥満薬「アライ」(一般名オルリスタット)を、処方箋がなくても薬局で買える薬として承認することを了承した。早ければ来年3月には正式に承認され、18歳以上であれば、ほぼ誰もが気軽にこの薬を購入できるようになる見込みだ。この薬さえ飲めば、過酷なダイエットなしに痩せることが可能なのか――。

夢の薬

 厚労省担当記者が言う。

「オルリスタットは、もともと、欧米70カ国以上で、処方箋なしで販売されてきた薬ですが、日本ではこれまで販売されてきませんでした。そんな中、大正製薬が国内での販売を目指して厚労省に承認を申請。この度、承認される見込みとなったのです」

 実際に一般販売されれば、薬局で購入できる国内初の「肥満を対象とした薬」となる。使用対象は18歳以上で、男性の場合は腹囲85㎝以上、女性は90㎝以上の人としている。ただし、高血圧などの基礎疾患がある人や、妊婦は使えないという。

果たして、どのような薬なのか。

「簡単に言えば、この薬を1日3回、食事中か食後1時間以内に飲むと、身体が食べ物の脂肪分を吸収しづらくなるのです。つまり、油っぽい料理を食べても、身体に脂肪分が吸収されず、体外に排出される。アメリカで行われた治験では、1年間で体重が5%減った人が60%、10%減った人が27%にのぼります」

 聞けば聞くほど、飲めば痩せる“夢の薬”のように聞こえるが、

「もちろん副作用もあります。脂肪分を吸収しないとなると、脂はそのまま、体内で消化されずに排出される。当然ながら排泄量は増え、さらに“下痢”や“軟便”になることも多いと言われています」

 それだけならまだしも、

「何しろ、脂肪分ですから、本人も気が付かないタイミングで肛門から零れ落ちてしまう可能性もあるそうです。また、油分を大量に含んだ屁が出るという指摘もあります」

 なんだか雲行きが怪しくなってきたが、日本での承認を前に個人輸入などで薬を入手し、服用した経験のある人たちのネットでの投稿に目を通すと、

<確実に痩せました>

<夢の痩せ薬!>

といった声が上がる一方で、

<たしかに体重は落ちますが、いつのまにかパンツがラー油まみれになります>

<うっかり電車内で漏らしたら、社会的致命傷を負うことにも>

 果たしてそんな“副作用”が起きるのか――。販売を予定している大正製薬に訊ねたところ、

「承認前ですので、お答えすることはできません」

 生活習慣病に詳しい医師はこう話す。

「肉食が中心の欧米人と比べて、日本人は白米などの“糖質”を取りすぎて太る場合が多い。そのため、脂肪分を体内に吸収しない薬を服用しても、どこまで効果があるのか。そもそも、こうした薬だけに頼って痩せようと思っても、結局、リバウンドして元の体重に戻るだけですよ。やはり生活習慣を見直すのが一番の近道ではないでしょうか」

 やはり、薬にだけ頼るダイエットはよろしくないようで――。

デイリー新潮編集部

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