大ヒット「silent」はなぜ若者に刺さった? 「言葉に頼りすぎない」がキーワード

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 その物語の舞台になれば、何の変哲もない街角のカフェが、いや、駅の改札さえ「聖地」と化す。若い女性たちをとりこにするドラマ「silent」はすでに社会現象の様相だ。一体、何が彼女たちを引きつけるのか。

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 世田谷代田は小田急線の各駅停車の駅である。今、その小さな駅の西口改札前に、週末ともなると若い女性たちが続々と集う。

 横浜市に住む21歳の女子大生は、静岡の友人と一緒にやって来たという。

「好きなドラマの世界観に浸りたいから」

 というのが遠征の理由。

「まるで私自身の昔の恋愛を観ているかのよう。この辛い気持ちは“私も味わったことがある”と感情移入できる」

 この彼女もすっかりハマっている「silent」(フジテレビ系)のあらすじは以下のとおりだ。

カフェも「聖地」認定

 川口春奈(27)演じる紬(つむぎ)とSnow Manの目黒蓮(25)扮する想(そう)は高校時代に交際していた。しかし、想が重度の難聴になり、紬に一方的に別れを切り出す。時を経て、二人は再会するのだが、紬にはすでに別の彼氏がいて――。

 駅はその二人が再会を果たした場所であり、まさに「聖地」というわけだ。

 同じく「聖地」認定されているのが、目黒区駒場にあるカフェ。11時半のオープン前には優に80名を超えるファンの女性たちが並んでいた。先頭は39歳の女性で、青森市在住。朝8時半には、その場に到着していたというから恐れ入る。彼女は、

「ドラマの中で二人が向き合った窓際の“silent席”に座りたくて。早く来たおかげで、憧れの席に座れそうです」

 と、頬を緩ませた。

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