京大院卒「替え玉業者」の素顔 「頭のデキが他と違う」同級生が証言、動機は給料への不満か

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替え玉受験の代償

 関電は事件を受けて「厳正に対処」する方針。道を踏み外した結果、“罰”を受けたのは業者だけではなく、

「警視庁は共犯として書類送検した女子大生のほか4人の依頼者に事情聴取しています。来年4月入社の内定を得た者もいましたが、5人全員が替え玉を使った企業に関して受験・入社を断念しています」(同)

 もっとも今回、警察が摘発できたのは氷山の一角。WEBテストの代行は想像以上に横行している。

 就職試験のひとつ「適性検査SPI」をネットでも実施しているリクルートマネジメントソリューションズは、蔓延(はびこ)る悪事に対して、

「受験前にWEBカメラによる360度での周囲確認のほか、イヤフォンの有無などを点検します」

 と、対策を強調する。しかし、ある就活経験者は平然とこう言ってのける。

「WEBテストは仲間で一緒に解いて、答えを共有する。業者を使うのも、信号無視くらいの感覚です」

 この点、さる上場企業の幹部は半ば諦め顔で、

「WEBテストに関する不正は完全には防げないし、過去の受験者も調べようがない。我々は選考者に、改めて筆記試験を課してはいるのですが……」

 一罰百戒で業者を根絶、とはなりそうもないのだ。

週刊新潮 2022年12月8日号掲載

ワイド特集「黒い画集」より

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