シブがき隊、少年隊、三田寛子も同級生…中村あゆみが振り返る「明大中野高時代」 放課後は駅前のミスド、フックンのソアラで

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明大付属中野高のリアルな青春

 青春をテーマにしたロックを数々歌ってきたが、明大中野高の青春とは?

中村「一般の高校生と変わんないです。放課後はなぜかJR東中野駅前の『ミスタードーナツ』にみんな集まる。そこで他愛もない話をした後、帰る人とそこから遊びに行くに分かれる」

『ミスタードーナツ』から、当時シブがき隊の布川敏和(57)が買ったトヨタの高級車・ソアラに乗り、みんなでドライブに行くこともあった。布川は昔も今も車好きなのだ。

中村「山中湖(山梨県)まで車を走らせるだけなんですけどね。意味なく湘南(神奈川県)のマクドナルドに行ったこともありました。それだけで楽しいんですよ、若かったから」

 1学年は60人から70人。その約2割が芸能人だった。全員が1クラスで学んだ。小所帯だったこともあり、みんな仲が良かったという。

 2学年上には元暴走族のカリスマ名誉総長・宇梶剛士(60)もいた。

中村「宇梶先輩は私たち後輩にチョー優しかった。私のデビューが決まった時には『頑張れよ!』と激励してくれたり。ただ、学校の外で笑っているところは見たことがないかも(笑)」

 1980年代は堀越高校(東京)にも永瀬正敏(56)ら多くの芸能人がいたが、明大中野高とはカラーが違ったという。

中村「堀越は制服でウチは私服。その違いもあって、ウチにはいろいろな生徒がいた。とんがっている生徒、変わっている生徒、真面目な生徒…。クラブのママもいた(笑)。ミンクの毛皮を着て登校し、最後の4時間目になると、大きな鏡を机の上に置いて、お化粧を始めちゃうんですよ。先生はガン無視。『すげーな、あの人』と思っていました。でも本当にいい学校でしたよ。最高。オンリーワンでした」

 明大中野高の定時制は2003年に廃止された。だが、中村と卒業生の親交は今も続く。特に親しいのは布川と三田寛子(56)だという。

中村「フックン(布川)は昔からぜんぜん変わらない。ずっと気さくでやさしい。寛子ちゃんは人間として尊敬している。しっかりしていて、いつも明るく接してくれる」

 さて、これまでに35枚のシングル、28枚のアルバムを出した。ヒットする曲は分かるのだろうか。

中村「分からないです(笑)」

 どの曲も同じように可愛い?

中村「いや、飛び抜けて可愛い子もいますよ。よく働く子。つまり、売れる子です(笑)。だけど、日の目を見ず、出来も悪かろうが、大事にしたい子もいる。そういう子のことをファンの方が『あの曲、好きです』と言ってくれると、うれしくなりますね」

 2016年から毎年行ってきたワンマンライブ「Rock Alive」はコロナ禍のため、2019年夏以降の開催を見合わせてきたが、その間、ジャズ・アルバム「Enter」(2021年)などを出した。もともと好きだったジャンルだ。コロナ禍でもうずくまっていたわけではない。

 12月25日には3年ぶりとなる「Rock Alive」を、「~Dinosaur is coming to town for Christmas~」と銘打ってヒューリックホール東京(東京・有楽町)で行う。中村の過去のヒット曲や名曲のカバーを歌うほか、「オリーブの花」以来6年ぶりとなる新曲も発表する。コロナ禍でライブを封印されていただけに「大成功させたい」という。

 今後の目標は?

中村「来年くらいから、もう弾けちゃってもいいのかなって思っています。これまでは浜田省吾さんらロックの先輩たちが寡黙なので、私もそうしなくちゃいけないと思ってきましたが、そろそろいいかなと」

 トークの全面解禁である。中村のしゃべりの面白さは古くから音楽界で評判なのだ。もしも実現したら、バラエティ番組で引っ張りダコになりそう。

中村 あゆみ
1966年6月28日、福岡県出身。12月25日にヒューリックホール東京(有楽町)で「Rock Alive 2022 ~Dinosaur is coming to town for Christmas~」を開催

高堀冬彦(たかほり・ふゆひこ)
放送コラムニスト、ジャーナリスト。大学時代は放送局の学生AD。1990年のスポーツニッポン新聞社入社後は放送記者クラブに所属し、文化社会部記者と同専門委員として放送界のニュース全般やドラマレビュー、各局関係者や出演者のインタビューを書く。2010年の退社後は毎日新聞出版社「サンデー毎日」の編集次長などを務め、2019年に独立。

デイリー新潮編集部

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