「紅白歌合戦」K-POP急増の理由は? 中森明菜、松田聖子のサプライズ出場は「ほとんど絶望的」

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 大みそかは家族で紅白といっても、いまや家族全員が楽しめる歌はなく、若者にはテレビをリアルタイムで見る習慣がない。それでもNHKは、家族をテレビの前に、と考えるから無理が生じる。もはやどちらを向こうと迷走するほかない紅白の舞台裏。

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「国民的歌手」や「国民的ヒット」は、はるか昔に失われ、みんなが楽しめる歌も、家族そろって聴ける歌も、もはや存在しない今日このごろ。それなのに大みそかの晩には、日本中の老若男女をテレビの前にくぎ付けにして歌を聴かせようというのだから、無理がある。

 そんな課題を背負ったNHKと担当者には、「ご苦労さま」と声をかけるほかないが、ともかく、11月16日に、紅白歌合戦の出場歌手が今年も発表された。

 選ばれた歌手を巡っては、いまもネット上に不満の声があふれている。だが、国民の多数が支持するような歌手は不在で、そんな曲も存在しない以上、誰を出し、誰を落としても、不満の爆発は避けられないわけで、やはりNHKは「ご苦労さま」なのである。

 で、書き込まれた不満に目をやると、NHK党の支持率が急上昇するぞ、と錯覚するほどである。「韓流とジャニーズばかり」「初出場組の選考基準が不明」「若者にこびすぎている」といった内容が目立ち、指摘はそれぞれ、当たっていないともいえない。

日韓関係の雪解けムードも影響

 それでも出場歌手の「正解」など存在しない。「別解答」を出しても、同じくらいの不満が寄せられるに決まっているが、とまれ、なぜこの「解答」が導かれたか、「解法」を探っても損はあるまい。

 たしかに、今年の出場歌手には韓流グループが目立つ。紅組には初登場のIVE(アイヴ)、LE SSERAFIM(ル・セラフィム)をはじめ、TWICE、NiziU(ニジュー)と、21組中に4グループが並び、ほぼ5組に1組が韓流関係ということになた。

 これに対し、芸能レポーターの石川敏男氏は、

「NHKはここ数年、紅白の視聴率にこだわって、若者に受ける人選に固執していますが、結果、長く受信料でNHKを支えてきた高齢者層の楽しみが奪われているんですね」

 とご立腹だが、なぜ韓流かというと、

「ここしばらく悪化していた対韓感情が、尹錫悦(ユンソンニョル)大統領になって雪解けムードなのが関係しています」

 と、さる芸能担当デスクが解説する。

「韓流コンテンツは10~20代の女性に爆発的人気なのに、これまであまり出演させなかったのは、世間や局内の異論に配慮してのこと。雪解けムードを受けて、紅白のスタッフは当初、“ミニ韓流紅白歌合戦”を仕掛けようとしていました。そこで白組も、ポストBTSといわれる13人組の“セブチ”ことSEVENTEENや、7人組のENHYPEN(エンハイプン)、加えて韓国内のオーディション発の日本の11人組、INI(アイエヌアイ)もブッキングしようとしましたが、韓国におもねりすぎという局内の声と、男性アイドルグループを抱えるジャニーズ事務所に配慮。白組の韓流関係は、韓国発の日本人グループJO1(ジェイオーワン)1組と、韓流風のBE:FIRST(ビーファースト)だけになりました」

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