仲本工事さんが出演予定だった舞台「日本昔ばなし」を巡りトラブルが勃発 作者の「長男と孫」VS「4番目の妻」のバトルに

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制作サイドには不信感が

 改めて、前出のプロデューサー氏に尋ねると、

「実はメールを送ったお孫さんから連絡をもらい、舞台化の経緯をきちんと説明し、何度かやりとりした結果、“もう口出しはしない”と話がついたのです。ところが、10月19日に仲本さんが亡くなった後、代役が誰になるかなどの報道を出したメディアにまで、お孫さんは権利問題があるとのメールを出し始めた。なぜこんなことをするのか尋ねようと何度も電話したのだけど出ることはなく、最終的にはメールで“こちらから言うことはありません。この話は打ち切りにしましょう”と言われたのです」

 すったもんだの末、康範氏の孫との話し合いが決着したのは10月末のことだった。とはいえ、制作サイドとしては未だ不信感は拭えないという。

「舞台は映像化して配信することも予定していますので、今後も何か言われる可能性があるのではと困惑しています。国民的な素晴らしいアニメなのに、いざこざがあるとして“ややこしい作品”だと世間に誤解されてしまうことを恐れています。ましてや子供向けの作品ですから『おふくろさん』とはわけが違う。もめてほしくありません」(同)

「厳しく叱りました」

 当の飯沼家を代表して春樹氏はこう釈明する。

「息子が独断でやったこととはいえ、関係者のみならずマスコミ各社にまでメールを送ったと知って本当に驚いています。行き過ぎもいいところです。たしかに父の作った歌や『月光仮面』などの著作権は、基本的に私が法定相続人として任されているわけで、『昔ばなし』の権利は誰にあるのかは調べてみないと分からない。ただ昔から『愛企画』がやってきたことだから、よほどの根拠がないと我々に権利があると言うべきではない。経済的な意味では一番価値があるのは『昔ばなし』なんじゃないですか。下手をすれば営業妨害になるので、息子にも“トラブルは起こすな”と厳しく叱りました。彼が何を根拠に行動したのか分かりません。私の管理が悪くてこんなことになってしまい、申し訳ないとは思います」

 現代社会の荒廃を嘆き、「日本の心は昔話に表れている」と語っていた康範氏。自らが重ねてきた過去の業によって生じた遺族たちの“諍い話”を、草葉の陰でどう聞いているのか。

週刊新潮 2022年12月1日号掲載

ワイド特集「バカと無知」より

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