米ゴルフPGAツアーの「PIP」とは何か? 不可解なルールで2年連続1位はタイガー・ウッズ

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支払い方式に疑問

 2021年のPIPで1位を取りそこなったミケルソンは、今年6月、PGAツアーに背を向け、先陣を切ってリブゴルフへ移籍した。そんなミケルソンに続き、ダスティン・ジョンソン、ブライソン・デシャンボー、ブルックス・ケプカといったスター選手が次々にPGAツアーから去っていった。

 すっかり顔ぶれが淋しくなったPGAツアーは起死回生を狙って大改革を打ち出し、9月に開幕した2023年シーズンは、すでにその新体制下にある。

「ファンが待ち望んでいるのはスター選手が勢揃いする大会だ。そういう大会を増やすべきだ」と声を大にしたウッズやマキロイの提言を受け、今季からPGAツアーは賞金総額を2000万ドル級に大幅アップした「格上げ大会」を増やし、「トッププレーヤー」と定義される20名の選手に、メジャー4大会やプレーヤーズ選手権、世界選手権(WGC)などを含めた全20試合への出場を義務付けている。

 そして、その「トッププレーヤー」は「PIPの上位20名」と定義された。そもそもは人気コンテスト的に創設されたPIPが、今ではトッププレーヤーの格付けの役割に格上げされたのだ。

 ところで、2022年のPIPのボーナス受給選手は、1位のウッズ以下、上位20名のはずだった。しかし、進化や変化を遂げているPIPの「移行段階の調整」という“難解”な理由により、発表直前に3名が追加され、合計23名がボーナス受給選手になった。ちなみにその3名は、松山英樹、キャメロン・ヤング、サム・バーンズで、彼らには最下位20位と同額の200万ドルが贈られる。

 しかし、1位のウッズの1500万ドルも、最下位の200万ドルも、その満額が即座に支給されるわけではなく、「今季の義務を果たしたあかつきに」という条件付きであることがモナハン会長から明かされ、人々を驚かせた。

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