「麻生副総裁」が弱り切った「岸田首相」に伝えていることとは?

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自分から辞めることはない

 その点、麻生副総裁には腹の内を見せられる安心感があるという。

「麻生氏は岸田首相のことを可愛がっていますね。“国民の声は気まぐれだし、メディアは世論に敏感で揚げ足取りばかりするものだ、そう深刻に捉えることはない”というような声掛けをしているようです。自分から辞めることはないし、その理由もないだろうというのが麻生氏のスタンスですね」(同)

 麻生氏自身、長期政権を築くことに失敗した人物なはずなのだが、それでもその声に岸田首相はかなり鼓舞されているとされる。

「トップはとにかく孤独ですからね。色んな人が色んな意見を吹き込んでくるんですが、その情報が確かなのか、その人にとって好都合だから伝えてきているだけなのか、その両方なのか、様々な場合がありすぎて信頼できなくなっていくと言います。その点、麻生氏は表裏がなさそうな感じでアドバイスをくれるので貴重なのではないでしょうか」(同)

 差し当って、岸田首相を支える主流派を脅かそうとする動きは特に見られない。今は大義がないと判断しているのだろう。

内閣改造の実現度

 岸田首相を巡っては「内閣改造を検討」と報じられたが、首相自身がすぐに否定するひと幕もあった。

「改造をなぜするのかと言うと、これまでの悪い流れを断ち切って世の中の見方を変え、結果として支持率を回復させるという狙いがあるからです。しかし、実際に改造をしたところで、そういうことが可能なのかというと極めて疑問です。官邸内でもそのような指摘があるようで、実際に改造に踏み切るか否かは微妙なところでしょうね」(同)

 その一方で、改造したとしても、新閣僚に様々な疑惑が持ち上がる可能性は否定できない。

「普段なら取るに足らないこととしてスルーされそうなテーマでも、国民がソッポを向いている状況だと、それこそ命取りになりかねない。実際、新たに総務相になった松本剛明氏にいきなり政治とカネの問題が持ち上がっているのが最たる例でしょう」(同)

 改造したいけどできない――。人心一新を図る改造も諸刃の剣ということなので簡単には実行できることではない。しかし局面を打開する妙案もない。そんな弱っている心にやさしく沁みる、麻生氏の声についつい耳を傾けてしまう、ということだろうか。

デイリー新潮編集部

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