“普通の中年”東京03は当代随一のコント芸人 若手の夢を背負う3人の役割

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若手芸人たちの夢を背負った存在

 彼らのコントの面白さには定評があり、2009年には「キングオブコント」で優勝を果たした。お笑いコンテストをテレビで売れっ子になるための登竜門のように考えている若手芸人も多いが、東京03は優勝後もライブに軸足を置いて着実に活動を続けてきた。その結果、単独ライブの規模は年々大きくなっていき、現在では全国を回る大規模なホールツアーを毎年開催している。

 最近では、ネタ番組でコントを演じるのに加えて、CMに出演したり、役者としてドラマに呼ばれたりする機会も増えてきている。コントの職人というイメージが定着したことで、ほかの芸人とは違う形で仕事の幅を広げている。

 コントを専門にしている若手芸人にとって、東京03は絶対的な憧れの存在である。毎年、単独ライブツアーで全国を回っていて「コントで食っていく」という夢を実現している数少ない芸人だからだ。芸人が稼ぐにはテレビにたくさん出てタレント活動をするしかないと思われていた中で、彼らは新しい道を示した。東京03は、若手芸人たちの夢を背負った当代随一のコント芸人なのだ。

ラリー遠田
1979年、愛知県名古屋市生まれ。東京大学文学部卒業。テレビ番組制作会社勤務を経て、作家・ライター、お笑い評論家に。テレビ・お笑いに関する取材、執筆、イベント主催など多岐にわたる活動を行っている。お笑いムック『コメ旬』(キネマ旬報社)の編集長を務めた。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり 〈ポスト平成〉のテレビバラエティ論』(イースト新書)、『逆襲する山里亮太』(双葉社)『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)など著書多数。

デイリー新潮編集部

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