実は危機感はないという岸田首相「支持率はそのうち回復する」 島田首相秘書官との本当の関係

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“チーム岸田”の弱点

 永田町の一部では「追い詰められ、やけくそになった岸田さんは、年内に衆議院を解散するのではないか」と囁かれていた。

 しかし、岸田首相のメンタルが安定しているのだから、追い詰められるはずもない。解散・総選挙など全く考えていない雰囲気だという。

「岸田さんが“鈍感首相”だというのは、周囲の側近たちにも問題があります。岸田さんは名門私立・開成高校(東京都)のOBで、同校出身の官僚による“チーム岸田”はマスコミの注目を集めました。ところが、どうやらメンバーたちは、真剣には有権者の民意を岸田さんに伝えていないようなのです」(同・官邸スタッフ)

 チーム岸田のリーダーは、首席秘書官を務める嶋田隆氏(62)。開成高校から東京大学工学部に進み、通商産業省(当時)に入省した。

 元朝日新聞政治部記者の鮫島浩氏は、著書「朝日新聞政治部」(講談社)の中で島田氏を《スーパー官僚》と形容している。

 本書では、島田氏が財務相や官房長官を歴任した与謝野馨氏(1938~2017)と深い交流を結んでいたことが明かされている。一部を引用させていただく。

《官僚でもとりわけ与謝野氏を敬愛していたのが、のちに経産事務次官になる島田隆氏である(岸田政権で事務次官経験者としては異例の首相秘書官に就任した)》

《どんな職務にあろうとも東京・六本木の与謝野邸に早朝から通い、英字新聞を含め与謝野氏が読むべき記事を用意してから職場へ向かうスーパー官僚だった。衆目が一致する与謝野氏の右腕である》

冷淡な自民党

 ところが、与謝野=島田ほどの信頼関係は、岸田=島田の間には構築されていないのだという。

「安倍内閣の首相秘書官だった今井尚哉さん(64)は、安倍(晋三)さんに“最新の民意”をきめ細かく伝えていました。ところが島田さんは、そもそも自分の意見すらあまり言っていないようなのです。結局、開成出身というだけで、『何が何でも岸田さんを守ろう』という感じではないのでしょう」(同・官邸スタッフ)

“鈍感首相”は世論に疎く、側近も政権に対する悪評を本気で報告しようとはしない──これでは内閣支持率が回復するはずもない。

 危機管理も後手に回り、閣僚3人のドミノ辞任を許してしまったのも当然だと言える。

「この点が島田さんと今井さんの最も大きな違いですね。だから自民党の議員も、最近の岸田政権には冷淡です。党内では『内閣支持率はさらに低下し、来春の統一地方選では敗北する』という声が多いのです」(同・官邸スタッフ)

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