立浪監督、“闘将”とは似て非なる「血の入れ替え」 “強権トレード”が中日に残した禍根とは

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「星野仙一元監督」の手法踏襲

 プロ野球中日がこのオフ、主力のトレード連発で大なたを振るっている。11月15日に阿部寿樹内野手と楽天の涌井秀章投手の交換を発表すると、同18日には京田陽太内野手と引き替えにDeNAから砂田毅樹投手を獲得した。最下位に沈んだ就任1年目の今季からの巻き返しへ向け、大胆な「血の入れ替え」を進める立浪和義監督(53)の行動力は、元中日監督で師と仰ぐ故星野仙一氏をほうふつさせる。一方で二塁の阿部、遊撃の京田とセンターラインの解体には、球団内部からも疑問を呈す声が聞こえる。

「立浪監督は、就任後の早い時期にフリーエージェント(FA)やトレードでチームを根本から変えた星野さんの手法を踏襲しているとしか思えない。ただ、表面的に模倣したとしても、星野さんのように優勝に結び付くかどうかは分からない」(古参のチームスタッフ)

 星野監督は中日での第1次政権時代と、阪神時代でともに2年目にリーグ優勝を果たした。その直前のオフにはいずれも大型トレードを成立させている。中日で主砲の大島康徳内野手を日本ハムに放出するなどし、阪神では金本知憲外野手、伊良部秀輝投手らを獲得する代わりに20選手以上の大量リストラを断行した。

「立浪監督は、若手選手だった頃に中日での星野さんの改革を目の当たりにした。主力に成長してからは敵将としての星野さんが大幅なメンバー刷新で阪神を快進撃に導く姿を見た。自身が監督になった時に、やり方を倣うイメージがあったのではないか」(同)

 しかし、このチームスタッフは、星野氏と立浪監督の手法は「似て非なるモノ」と言い切る。

「確かに星野さんは、普通なら遠慮する大物ベテラン選手の処遇にも容赦なかった。しかし、根底には情実や好き嫌いなどではなく、チームの力になるかどうかという明確な基準があった。立浪監督は今季の起用法に表れていたように、トレードにも個人的な好みが見え隠れする。試合途中に(プレーに覇気がないとして)2軍に強制送還させた京田に対しては特にそう。土田(龍空)ら代役の内野手が一本立ちしたとは言えない中で、リスクを負ってでも行うトレードだったのか」

 目下、ストーブリーグの話題をさらっている立浪監督の大改革は、チーム内ではなかなか理解を得られていないようだ。

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