魚を週2で食べるとリスク低減? 歩き過ぎは禁物? 認知症の予防法と超早期発見のカギとは

ドクター新潮 ライフ

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 人生100年時代、健康長寿を考えると認知症になるのは誰もが避けたいところ。未だに謎多きこの症状について、理学博士である専門家が新常識とその予防法を伝授する。アルツハイマー病の超早期発見を可能にするメカニズム、そして脳の健康を保つ具体策とは。【高島明彦/学習院大学教授】

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 徘徊老人。

 現代日本で問題視されている認知症の典型的な症状のひとつです。実はこの行動、古い文献によると江戸時代にも町で騒ぎになっていたといいます。昔から、私たちは認知症との戦いを余儀なくされていたわけですが、徘徊を、認知症になりボケてしまった高齢者の仕方のない問題行動というふうに、漠然と捉えている人が多いのではないでしょうか。

 しかしこの行動にこそ、認知症、とりわけその約60%を占めるアルツハイマー病のメカニズムを解く鍵が隠されているかもしれないのです。

 アルツハイマー病の正体を知り、その予防や治療に役立つ可能性があるキーワード。それは、脳のひとつの部位である「嗅内野(きゅうないや)」、そして徘徊につながる「空間認知機能」なのです。

「最もなりたくない病気」トップ

〈こう解説するのは、学習院大学理学部生命科学科教授の高島明彦氏だ。国立研究開発法人・理化学研究所の脳科学総合研究センターアルツハイマー病研究チームリーダーや、国立長寿医療研究センターの部長などを歴任。理学博士である高島教授は、医学とは別のアプローチで長年、アルツハイマー病の研究を続けてきた。

 認知症の患者数は2020年で約630万人。それが25年には約730万人と高齢者の5人に1人、さらに60年には1100万人以上となり3人に1人に増えると予測されている。人生100年時代を迎えた日本において、「国民病」とでもいうべき最重要事項のひとつである。事実、21年に民間会社が行った調査では、「最もなりたくない病気」として、がんを抜き認知症がトップになっている。〉

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