野球ファン人気No.1「袴田彩会」アナ 転機は「楽天」と「奇跡のお相手・里崎さん」

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 フリーアナウンサーの袴田彩会さん(31)は今もっとも野球ファンに信頼された女性アナウンサーといって過言ではないだろう。「プロ野球ニュース」(CSフジテレビONE)の水曜日MCや、元千葉ロッテマリーンズ・里崎智也さんのYouTubeチャンネル「里崎チャンネル」のアシスタントを担当し、2021年には「好きなスポーツアナウンサーランキング・女性編」で1位を獲得した。

 宮城の東北放送に入るまで野球ファンではなかったという袴田さんは、なぜこれほど野球を愛し、愛される存在になったのか。来月10日には写真集『Another』を発売する彼女の半生を2回にわたって紹介する。1回目はアナウンサーになったきっかけから、局アナ時代の取材裏話、さらに“奇跡のパートナー”と呼ばれる里崎さんとの出会いについて聞いた(全2回の1回目)。【徳重龍徳/ライター】

実は局アナになる前、温泉レポーターに

――袴田さん、小さい頃は習い事をたくさんされていたそうですね。

 クラシックバレエ、ピアノ、バイオリン、お習字、ミュージカル、あと新体操。習い事だったらそのぐらいはやりました。バイオリンは高校までやっていて、ちゃんと弾ける感じです。

 高校1、2年生くらいまではミュージカルの道に進みたいと思っていました。人前に出て、踊ったり歌ったりすることがすごく好きだったので。劇団四季を目指していました。

 ただいざ劇団四季に入ろうとなると、音大を出ないとやっぱりいけないところがあって。そのためには音楽の勉強をしないといけないんですが、勉強が本当に嫌いなんですよ(笑)。劇団四季よりも勉強をやりたくないが勝っちゃって、とりあえず地元・静岡を出て東京の大学に行きました。

――上京して、好きだった演劇の道に行こうとは思わなかったんですか。

 キャンパスライフを楽しもうと、ストリートダンスのサークルに入っちゃって。200人くらいが所属するインカレサークルで、毎年1回、何千人も入るホールを貸し切って大きな公演をやるんです。本当に体育会系のサークルで、合同練習の終わった後の深夜0時からスタジオを借りて朝まで練習をして、皆で牛丼食べて寝てという生活でした。あまり大学にも行っていません(笑)。

――学生時代にはBSフジ「絶景温泉」で、温泉に入るリポーターもやられていますね。

 姉(グラビアアイドルの葉加瀬マイ)の紹介で制作会社の面接を受け、1~2年ぐらいやってました。温泉に入るんですけど、めちゃくちゃお堅い番組で、露出もタオルも巻いて肩しか絶対見せちゃいけない。温泉だけじゃなくてご飯のリポートもするザ・旅番組でした。

 もともとテレビに興味があったんですけど、番組に出たことで改めて「テレビに出るのは楽しいな。しゃべるのも楽しいな」と感じて。そこがアナウンサーを受けるきっかけの一つになったかもしれません。

――テレビに出るのであれば、タレントの道もありますが、そちらではなかった。

 私、意外と保守的なんですよ。姉が結構破天荒なタイプだったので(笑)。堅実に、将来不安はなく、でも人前に出るのは好き。そんなとき、アナウンサーだったら、就職しつつ、会社員として自分を表現できるところがあるんじゃないかと思いました。

 タレントをやるには、自分にはあまり個性はないなとも思ってたんです。自分に自信が常にないんですよ。1番手よりは2番手が多い人生で、基本的には誰かを下で支える、アシストする方が得意。アナウンサーって自分が主役って出るタイプでもないので、自分の性にも合っているなとものすごく感じてました。

 ただ目指すのがちょっと、遅すぎて。アナウンサースクールに入ろうとしても「今から勉強するには遅すぎるね」と断られて。知り合いに元々ローカル局でアナウンサーをしている方がいて、個人レッスンをしていただきました。その方の「アナウンサーは諦めなければ絶対どこかが取ってくれるから」という言葉を信じて、20社ほど受けて、宮城県の東北放送に決まりました。

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