大手宝飾メーカー「ナガホリ」 仕手筋に狙われ暴かれた「スイートテン・ダイヤモンド」の“傷”

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内部告発

 図らずも、「仕手筋」が炙り出したのは会社の汚点だった。創業60年を迎える、大手宝飾メーカーの「ナガホリ」。10年目の結婚記念日を祝う「スイートテン・ダイヤモンド」の商標権を持つことで知られるが、業績は低迷し、今春まで株価は200円台を行きつ戻りつした。ところが、突然、仕手筋による買い占めに遭い、目下、1500円の大台に乗せる勢いなのだ。

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 9.96%の株式を取得し、ナガホリの筆頭株主に躍り出たのは、尾端友成という人物が代表の投資会社「リ・ジェネレーション」。また、不動産業を手掛ける布山高士氏が個人で7.91%の株式を保有中だ。

 前触れもなく始まった買い占め劇に、ナガホリは企業防衛策を講じた。まず、リ・ジェネレーションには「反社」の息がかかっていると公にし、今年6月開催の株主総会で「ポイズンピル」を導入。もし、リ・ジェネレーションらが今後、わずかでも株数を増やせば、他の株主に新株予約権を無償で割り当てることにした。

 対するリ・ジェネレーションは、反社とのかかわりを完全否定。対抗措置として、HP上で、ナガホリの従業員や退職者からの情報提供を求めた。すると、パワハラや労働基準法違反などの内部告発が続々と寄せられたのである。極めつきは、横領事件の「隠蔽」だった。

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