「ポランコに1票はおかしいだろ」ゴールデングラブ賞の記者投票にファンから大ブーイング 記者が明かす選考の実態

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「守備の上手さは数字だけで測りきれないところがあり、主観に多少のバラつきが出てしまうのは仕方ありません 。けれど、私たちはプロの記者です。野球ファンを代表し、責任を持って公平なジャッジをしなければなりません。しかし今年の結果も、一部の記者がおざなりな投票をしたとしか思えない内容になってしまった。ファンが怒るのも当然だと思います」。こう語るのは、今年の投票に参加した記者である。

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〈記者投票〉がトレンド入り

 11月14日に発表されたプロ野球の三井ゴールデン・グラブ賞は、シーズンを通して最も守備が上手かった選手をポジションごとに選出するものである。ベストナインとともにシーズン終了後に約300人のプロ野球記者による投票が行われ、最も得票を集めた選手に授与される。

 今年も発表直後の午後3時過ぎに、「オリックス宗佑磨2年連続受賞」「菊池涼介が10年連続」などの見出しがネットニュースに続々と上がった。だがTwitter上では、祝福の声よりも結果に納得できないファンたちの怒りのコメントが溢れ出した。

〈選定者の考えが軽すぎる。意味不明な投票をした記者は面白いと思ってやってるんだろうなーっと想像できてイタすぎる〉

〈悪ふざけで一票投じちゃうようなやつが関わってる賞とかもらいたくないやろ〉

〈記者の名前出せよ〉

〈記者投票〉がトレンド入りするくらいの大ブーイングが起きたのである。そもそも、記者たちはどのようにして票を投じているのか。

普段見ていないリーグにも投票する記者

「NPB(日本野球機構)のパスを有して5年以上の記者が有資格者となります。投票は権利でもあり義務でもある。シーズン終了後に案内とIDがメールで送られてきて、Web上で投票します。ポジションごとにすでにピックアップされている候補者の中から一人を選ぶ形式です」

 セ・パ両リーグに投票する記者もいれば、自分が番記者を務めているリーグのみに投票する記者もいるという。実はここからすでに問題があるという。

「ベテラン記者の中に自他ともに認める野球オタクがいるのも事実ですが、プレーを生で見ていない選手を評価するのはいかがなものか。実績などに基づいた印象だけで投票してしまうリスクがある」

 その結果が、セ・リーグの二塁手部門に出たというのだ。1位に選ばれたのは広島の菊池涼介。10年連続10回目の受賞となった。

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