木村拓哉50歳になっても「奇跡の人気」を誇るのはなぜか イベントに100万人集めた力を徹底分析

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続編やシリーズ化が続く

 時は経ち、テレビドラマ自体の視聴率が大幅に低下している。その差をいかして、視聴率の低下をピックアップし、最新作『未来への10カウント』でついにひとケタ転落……といった形で煽ることは簡単だ。ただ、それだけで人気の低下を結論づけるのは早計だろう。

 例えば、SMAP解散後のこの5年間で主演した作品を見てみよう。

 2018年に放送された『BG~身辺警護人~』は、全話平均視聴率が15.2%。2020年の正月に放映されたスペシャルドラマ『教場』は、前編が世帯平均視聴率15.3%・後編が15.0%。翌年の『教場II』は前編が13.5%、後編が13.2%と、どれも現在の水準でいえば高視聴率を獲得している。

 なによりこの『教場』『BG』に加え、映画の『マスカレード・ホテル』シリーズと、この5年間に3作品が続編の作られるシリーズ化をしているのはなかなか稀なことだろう。

 と、ついつい視聴率を列挙してしまったが、そもそも、木村自身、映画に出演するときは「俳優部の一員として……」と自分を語ることが多いように、作品は多くの人々によって作られている。作品の評価を主演俳優だけの責任・功績にすることはナンセンスだ。

 では映画やドラマより個人の人気に直結するだろう、CDのセールスはどうだろうか。

コアなファンの数

 木村は、2020年にソロでのアーティスト活動を開始。これまで2枚のアルバムを出している。それぞれ、初週の売上枚数は12万枚、7万枚を越え、ランキング1位となっている。

 SMAP最後のベスト・アルバムが初週66.8万枚。単純に5で割ったより少し少ない数字だが、特にドラマ主題歌などの大きなタイアップがなく、プロモーションも控えめな中ではよい数字と言えるだろう。

 ジャニーズの今年の売れ筋で言うと、SnowManの最新アルバム89万枚、なにわ男子のファーストアルバム71万枚といった数字が浮かぶが、この年代のファンは、複数枚買いが当たり前。自分たちの“推し”により活躍してほしいという思いから、ランキング上位にいってもらうために熱心に購買する傾向がある。

 その点、もう売れきっている木村のアルバムにはそういった作用はあまり働かないだろう。楽曲も売れ筋を狙ったものではなく、山下達郎やDragon Ash・Kjの提供曲や、鈴木京香や明石家さんまといった木村への理解の深い人物に詞を提供してもらったもの等、充実の内容となっている。

 つまり、この数字は木村のコアなファンの数と言えるだろう。

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