京田陽太、杉浦稔大も危ない? 「現役ドラフト」で放出が懸念される“コスパが悪い選手”を占う

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「年俸5000万円以上、1億円未満の選手」

 出場機会に恵まれない選手の救済と、球団間のトレード活性化を目的に12月9日に「現役ドラフト」が開かれる。11月7日にはNPBから開催規定が発表された。大まかにまとめると、各球団が必ず2人以上の選手を対象として提出し、他球団から獲得希望が多かった選手を提出した球団から優先的に指名できるというルールになっている。人気になる選手を獲得したければ、自チームからも人気になる選手を提出する必要がある仕組みといえる。【西尾典文/野球ライター】

 また、以下の選手に関しては、対象から除外されることとなった。

1、野球協約第82条に規定する外国人選手
2、複数年契約選手
3、野球協約第87条に規定する参稼報酬の金額(消費税及び地方消費税別途。以下同じ)が5000万円以上の選手。ただし、1名に限り、参稼報酬の金額が5000万円以上1億円未満の選手を対象選手とすることができる。
4、過去にFAの権利を行使したことのある選手
5、FA資格選手
6、育成選手
7、前年の年度連盟選手権試合終了の日の翌日以降において、選手契約の譲渡により獲得した選手
8、シーズン終了後、育成から支配下契約に切り替えられた選手

 ここで注目されているのが(3)の年俸に関する規定である。5000万円以上の選手は対象外となるが、1名だけ例外的に5000万円以上1億円未満の選手も提出することができるのだ。この規定には球団側からの希望があったのではないかと言われている。

球団側の狙いは“コストカット”

「5000万円以上1億円未満の選手といえば、基本的にレギュラークラスの選手になります。出場機会に恵まれない選手の救済措置が狙いにしてはかなり高額ですよね。この例外1名に関しては、コストカットしたいという球団の狙いがあるようです。昨年、日本ハムが大田泰示、西川遥輝、秋吉亮の3人を“ノンテンダー”(コストに見合わない選手を市場に放出すること)という名目で自由契約にしたことで、選手会からもファンからもかなりの反発がありました。現役ドラフトでは、彼らのようにFA権を取得している選手は対象外ですが、FA権取得前の選手でも1億円近くの“高給取り”は少なくありません。普通の交換トレードではなかなか成立しない案件も、現役ドラフトであれば可能性は高くなります。“意外な大物”が移籍することも考えられるのではないでしょうか」(在京スポーツ紙記者)

 今年は森友哉(西武)、近藤健介(日本ハム)といった大物FA選手が注目を集める一方で、近年、FAで移籍する選手が減少していることは確かだ。球団側のコストカットという狙いはあったとしても、今回の「例外1名となる選手」が、移籍市場の停滞感の解消に繋がる期待感がある。

 では、これに該当しそうな選手はどんな顔ぶれになるのだろうか。5000万円以上1億円以下の年俸かつ、FA権未取得の選手で、今シーズン、比較的一軍の出場試合数が少ない選手をピックアップしてみた(年俸は推定、成績は今季。締め切りの関係上、11月11日正午時点で契約更改が行われていない選手を対象とした)。

<投手>
・砂田毅樹(DeNA・5600万円)
15試合、0勝0敗 0ホールド 0セーブ 防御率5.68
・高橋礼(ソフトバンク・5400万円)
4試合 0勝0敗 0ホールド 0セーブ 防御率13.50
・国吉佑樹(ロッテ・7400万円)
6試合 0勝0敗 0ホールド 0セーブ 防御率1.80
・二木康太(ロッテ・5500万円)
9試合 2勝4敗 0ホールド 0セーブ 防御率4.18
・杉浦稔大(日本ハム・7000万円)
16試合 3勝6敗 0ホールド 0セーブ 防御率4.18

<野手>
・京田陽太(中日・6400万円)
43試合 打率.172 本塁打3本 打点8 盗塁1
・藤岡裕大(ロッテ・6250万円)
28試合 打率.176 本塁打0本 打点1 盗塁0

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