昭恵夫人擁立案も消えない“安倍VS林”戦争の泥沼 安倍派は報復に戦々恐々

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 内外に衝撃を与えた安倍晋三元総理の死から4カ月。お膝元の山口県では「下関戦争」が激化している。

「林芳正外相を支持する地元の下関市議らが安倍氏の死を“絶好の機会”として攻勢を強めているんです」

 とは事情に詳しい関係者。

「事件直後から、市議たちは議会の多数派工作に乗り出した。すでに中間派の議員を吸収し、8月には議会の最大会派を占めるまでになった。地元の最側近として地域を牛耳る、安倍氏の元秘書である前田晋太郎市長をはじめ、安倍派の市議たちは強烈なプレッシャーにさらされています」

 場外乱闘も始まっており、

「林氏の支援者らが、いまも市内各所に残る安倍氏のポスターを剥がして回った形跡が確認されているとか。無論、安倍派サイドは怒り心頭。それが理由か、先月15日に行われた県民葬の際、林派の幹部には招待状が届かなかった。両派の緊張は高まるばかりです」

元総理の急死でパワーバランスに異変

 下関市は安倍氏と林氏の勢力が父親の代から争ってきた因縁の地。2017年の市長選では、安倍氏の支援を受ける前田氏が林氏の推す現職に僅差で勝利。以来、安倍派は市議選で林氏と所縁(ゆかり)のある現職市議の公認を見送るなど、ライバル一派を徹底的に干してきた。が、元総理の急死でそのパワーバランスに異変が。いまや安倍派は、苛烈極まるであろう報復に戦々恐々としている。

「来年4月には安倍氏の死に伴う、衆院山口4区の補選が予定されています。代々の保守王国だけに自民党候補が負ける可能性は極めて低い。問題は、次期総選挙における定数削減なんです」

 今国会での公職選挙法の改正により、次の総選挙からは15都県の小選挙区で10増10減が行われる。

 政治部デスクが解説する。

「山口県は小選挙区が4から3に減り、現4区は新たな区割りで林氏が地盤とする3区に組み込まれる。そのため補選で勝った候補者には、次の総選挙で新3区からの出馬が濃厚な林氏との公認争いが待っている」

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