原巨人に「森友哉が移籍しない」5つの根拠 “公開密談”は苦戦の証? オリックスに早々白旗も

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オリックスは「捕手に魅力的」なチーム

(1)人的補償の下準備、(2)ライバル選手のFA宣言、(3)潤沢な資金、(4)チームカラー。そして5つ目のオリックス有利の根拠として、NPB監督経験者はプレー面に言及する。

「オリックスの投手陣は球に力がある投手が多い。日本シリーズで活躍した宇田川(優希)、山崎(颯一郎)は160キロ前後の速球を投げる。バッテリーを組む捕手は配球に頭を悩ませる必要がない魅力的な投手たちで、森は得意の打撃に力を注げる。同じ捕手出身の中嶋(聡)監督の存在も心強いだろう」

 一方の巨人は今季のチーム防御率が12球団ワーストの3.69だった。米球界でFAになった有原航平投手も阪神との争奪戦で苦戦が予想され、来季へ大きな戦力アップが厳しい状況に陥っている。

「そもそも異なるリーグ間の移籍は、新たに打者の特徴を知る作業が増え、捕手には負担が増すもの。その上、巨人の投手陣を立て直せなければ当然、森にも批判の矛先が向く」

 巨人では大城卓三捕手が今季、115試合で打率2割6分6厘、13本塁打、43打点と全てで森を上回る打撃成績を残した。

「森といえども簡単には正捕手を取れない。同じ打てる捕手で持ち味もかぶる。オリックスでは森加入なら伏見が移籍するようだから、巨人よりは森の定位置は保証される」

 こうした状況を総合的に考えると、森争奪戦はオリックス移籍で早期決着もあり得るという。

「オリックスは吉田のポスティング問題を抱え、代役として同じ外野手の近藤の獲得にも動きそう。早く所属先を決めたい伏見への配慮も要るため、森の交渉は早く終わらせたいのではないか。今後は(FA交渉の)スケジュールに則って森獲得を表明し、粛々と契約にこぎ着けていくのではないか。巨人の方は従来、人気球団のイメージを損ねたくないからか、FA選手の争奪戦で他球団に勝てないとの感触を得ると、表立って獲得に名乗りを上げてこなかった。森のケースでもオリックスの優位を動かせないと判断すれば、水面下で静かに撤退するかもしれない」(前出の編成担当者)

 FA選手との交渉解禁日は11月11日。福良淳一GMが森に興味があると公言しているオリックスに対し、巨人はスタンスを示していない。

木嶋昇(きじま・のぼる) 野球ジャーナリスト

デイリー新潮編集部

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