ポイント2兆円が無駄金に マイナカード義務化で保険証はどうなる?

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 突如、河野太郎・デジタル大臣が宣言した、2年後の「マイナカード」実質義務化。この国の政府とデジタル政策といえば、失敗の過去しか思い浮かばないが、今回も大混乱だ。マイナ無しなら保険診療は受けられない? ポイントに使った2兆円は無駄金になった?

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「マイナンバーカードは一応、作りましたけどね……」

 とため息をつくのは、評論家の大宅映子さん。御年81歳である。

「財布の中にカードが増えるのを止めたくて。で、ネットで申し込んだんですが、手こずりましたね。何度も間違えるんだけど、どこで間違えたかわからない。たまたま娘がいたんでどうにかなりましたけど……」

 として言う。

「マイナ保険証はまだです。もう私もあと何年もないから少し様子見しようかしら。そもそもこれを導入すればこんなに便利ですという制度理論が十分練り上げられていないのでは?」

 年配の方々にとっては、作るだけで一苦労。メリットがわからないから申請しない。しかし、ある日突然、「国民の義務です」と言われたら……。

 そんなことが、現実に起きた。

方針転換の背景

 10月13日、河野太郎・デジタル大臣が「健康保険証」を今から2年後、2024年の秋に廃止し、「マイナ保険証」としてマイナンバーカードに統一する――と公表したのは周知の通り。保険証がなければ、医療機関で保険診療が受けられないから、要は、実質的なマイナカード「義務化」に舵を切ったのである。

「急な方針転換の背景には、マイナンバーカードの普及が一向に進まないことへの焦りがあります」

 とは、さる全国紙の政治部デスクである。

 マイナンバーカードの交付が始まったのは16年のこと。しかし、それから6年が経つ今になっても、国民の取得率は5割に満たないまま。取得者に最大2万円分が付与される「マイナポイント」特典を設けたのにもかかわらず、だ。

 昨年10月には、保険証と一体化した「マイナ保険証」の利用も開始されたが、現在の利用者はカード取得者の2割に過ぎない。

「これに業を煮やしたのが、8月に大臣になったばかりの河野さん。もともと保険証は原則廃止の方向でしたが、その期限を早急に区切ることを強く主張した。支持率低下にあえぐ岸田総理もこれに乗っかったんです」

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