159人が犠牲、韓国「梨泰院」雑踏事故から3年…日本人女性が目撃した直後の現場 「数分離れたところではまだ踊っている人が」

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 2022年10月29日、韓国ソウルの繁華街「梨泰院(イテウォン)」は大混雑を極めていた。新型コロナ規制開けのハロウィンシーズン、しかも土曜日。次から次へと押し寄せる人波は、ついに惨劇へとつながってしまう。地下鉄駅近くの坂で300人以上が折り重なる群衆雪崩が発生したのは、午後10時15分頃のことだった。

 最終的な死者数は日本人2人を含む159人、負傷者数は196人。日本でも大きく注目されたこの事故はどのようにして起こったのか。事故発生後の現場に居合わせた日本人女性の生々しい証言などで振り返る。

(以下、「週刊新潮」2022年11月10日号「危機一髪の日本人観光客が証言! 韓国『ハロウィン154人圧死』でエネルギー大爆発の真因」を再編集しました。文中の年齢、肩書等は掲載当時のものです)

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救急車も数台いる程度

(以下、「週刊新潮」2022年11月10日号「危機一髪の日本人観光客が証言! 韓国『ハロウィン154人圧死』でエネルギー大爆発の真因」を再構成しました)

 死亡した人の内訳には日本人が2人含まれていた。事故現場の梨泰院は日本でも話題となったドラマ「梨泰院クラス」の舞台だっただけに、引きつけられる日本の若者が多かったようだ。都内に住む20代のOLも、

「28日金曜日の晩にソウルに着きました。『梨泰院クラス』の名所に行ってみたくて、それならハロウィンに、と思ったのです」

 と語るのである。

「28日の晩も4人で梨泰院に行き、人の波はすごかったけど、まだおしくらまんじゅうになるほどでなかったです。事故当日の29日は、23時10分ごろに梨泰院に着きました。予定より時間が遅くなったので仮装はせず、日曜日の下見にと思ってタクシーで行きました」

 予定通りだったら危なかったかもしれない。

「バスが道を封鎖するように停まっていましたが、最初は状況がわからず、男性が女性を抱えたりして、酔った人が地面に倒れているだけかと思ったんです。救急車も数台いる程度で、やっと道端に倒れている人を運び出す感じでした」

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