日本一有名なパロディ時計「フランク三浦」 本家に“勝訴”から山あり谷ありの5年間

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「番組にするから800万円払って」

 当時は注文以外の問い合わせも驚くほど来た。

「全く知らない人から“会いたい”と電話がきたり、講演やテレビ出演、取材の依頼…僕が取っただけでも1日に50~100件はありました。フランスからカタコトの日本語で取材を受けたこともありましたし、“あなたの半生をテレビ番組にします。つきましては800万円払って下さい”てのもありました(笑)。営業担当者の電話もずっと鳴っていて、実は高裁判決が出た日に入社した人がいたんですが、電話が鳴りっぱなしでろくに話もできず、“こんな忙しい会社、無理です”とその日のうちに辞めてしまいました」

 その後、最高裁で勝訴が確定したことも話題になり、2018年には「フランク三浦」のライセンス商品の販売が始まった。それが<効力は一切証明されていないが、買えば幸せになる念を込められたといわれる奇跡の財布>だ。さらに、ゴルフクラブのライセンス販売、自社でのゴルフキャリーバッグなどの販売も始めた。裁判での勝利を経て、フランク三浦は“ブランド”として時計以外にも進出していた。

消費増税と円安が招いた大ピンチ

 とはいえ、好調は長く続かず、2019年にはガタッと売上げが落ちたという。原因は「消費税が8%から10%に上がったことです」。フランク三浦のみならず、同社で扱う他の時計の売上げも落ち込んだ。

「うちのフランク三浦以外の8割って、3~5万円の並行輸入の時計や、10~20万円の並行輸入やオリジナル時計だったんですが、そういうのもバタっと売れなくなりました」

 そこで同社はアパレルの並行輸入に活路を見出した。

「人気メーカーのシューズや服とか、めちゃくちゃ売りました。アパレルの並行輸入を始めたら、社としての売上げは三浦のピーク時を超えました」

 そして今年、日本を急激な円安が襲った。

「今は円安でボロボロです。今年に入ってからの下がり方で、利益がぶっ飛んでます。そもそもコロナ禍で中国の工場が止まって、物が入ってこない。発注して6ヶ月とかかかりますから、その間に円安が進んで、入荷できても価格が想定の1.4~1.5倍ぐらいになっていて、“その値段ならいらん”と断られるんです。並行輸入がダメになって、会社の売上げは40%ぐらい落ちました」

 同社がフランク三浦を作り始めた2011年当時は、1ドル=80円ほどの超円高だった。円の価値が半分近くまで下がった昨今、

「手頃な時計を売っていた周りの時計輸入業者は、倒産したり、売上げ6割、8割ダウンとかです。うちはまだ給料や家賃を払えているだけマシです」

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