「ドクターX」ファンも大満足 新BIG3と言われ始めた「ザ・トラベルナース」の楽しみ方

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悪魔のようなナース

 中井が演じるベテラン看護師・九鬼静は、第1話でチラッと見えた履歴書によると、国立東都大学医学部看護科を卒業し、修士課程を修了。その後、同大学の付属病院で看護師長となる。厚生省(現・厚生労働省)に看護系技師として出向後、大学に戻り看護部長となるも、なぜか退職し、民間病院を経てフリーになったという経歴を持つ。

「感慨深げに履歴書を見つめていた松平院長との対決が今後の見せ場となるのでしょう。ともあれ、中井が演じる九鬼のキャラクターは独特です。言葉遣いこそ馬鹿丁寧ですが、慇懃無礼で面従腹背、『ドクターX』の岸部一徳のような役割かと思えば、感情が高ぶったときには広島弁で罵倒するという、腕は確かだが《悪魔》のようなナースです。若くてプライドの高い那須田(岡田)を、彼がどう育てるか、もしくは敵対するのかも見物でしょう」

 思ったほど「ドクターX」に似ていないようだが、

「初回から中園節は炸裂していました。『水戸黄門』(TBS)のような勧善懲悪、“この印籠が目に入らぬかっ!”の痛快な決め台詞。そして『木枯らし紋次郎』(フジテレビ)の“あっしには関わりのねえことで”のニヒルさがしっかり込められています。シェイクスピアの時代から続くお約束を、衒いもなく押し出していく手法は、いかにも中園作品で、視聴者のツボを心得ています。『anego』(日本テレビ)も『ハケンの品格』(同前)も『ドクターX』だって同工異曲です」

 今回の決め台詞は、九鬼(中井)の「○○なんて、くそ食らえです」だろうか。もっとも、「anego」と「ハケンの品格」の主演は篠原涼子、「ドクターX」は米倉と、意志の強そうな女性だった。今回の岡田は、ちょっとタイプが異なる。

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