国防の要・岩国基地の周辺に上海電力がステルス参入のナゾ 複雑怪奇な転売スキームでメガソーラーを買収

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中国に評価される、ある日本人の名前

 合同開発77号と合同開発53号に融資をしたSBI証券は、SBIホールディングス傘下の証券会社だ。SBIホールディングスは「金融サービス事業」「アセットマネジメント事業」「バイオ・ヘルスケア&メディカルインフォマティクス事業」を主要な事業と位置付けている。代表取締役社長(CEO)は北尾吉孝氏で、独立社外取締役には竹中平蔵元総務大臣も名を連ねる。

 合同開発77号と合同開発53号の職務執行者はRSM清和監査法人の代表社員と同姓同名だ。この監査法人は清和税理士法人や、先に登場した清和コンサルと提携関係にある。

 SBI証券は、合同開発77号に東日本ソーラーの買収資金を融資し、岩国メガソーラーの土地に根抵当権を設定していた。理由を確かめるべくSBIホールディングスの北尾社長と中国との関係を調べたところ、以下のような事実が分かった。

 19年6月12日、SBIホールディングスは、北尾氏が中国投資協会のブロックチェーン・ビッグデータ産業投資専業委員会の戦略投資高級顧問に就任したと発表した。民間企業経営者の就任は初めてとのことだが、委員会のサイトには〈戦略投資高級顧問は民間経営者に与えられる最も高級なタイトル〉とある。いかに中国が北尾氏を高く評価しているかが分かるというものだ。

 さらに北尾氏が関心を示す、ブロックチェーンなどの技術を利用した取引に関して興味深い記事が見つかった。一昨年1月2日、ニュースサイト「コインデスク・ジャパン」は〈デジタル人民元が世界で流通し、日本にデジタル資産取引所が生まれる未来とは【SBI北尾社長・後編】〉とのインタビュー記事を公開した。

人民元を支援する北尾氏

 ここで北尾氏は、〈デジタル人民元が世界で流通するようになれば、中国が最大の輸出国である日本や日本企業にも影響が出てくるのでは? ドル覇権を崩壊させるインパクトがあるとされるデジタル人民元に対して、アメリカも黙って見ていることはないのでは?〉との記者の問いに、以下のように答えている。少し長いが引用する。

〈暗号資産は、そもそも国境のない、国際的な金融資産なんです。金融商品に似たものですね。デジタルの世界は、国際性を追求する世界です。だから、この世界では、グローバルな体制でエコシステムを築かないといけないと思っている〉

〈デジタル人民元が出てくれば、日本政府も企業も変わらずにはいられないでしょうね。日本と中国の経済がどう発展していくのかを考えるとき、はっきりと言えるのは、両国はより密になっていくだろうね。その上で、中国は国家戦略である人民元の国際化を、デジタル通貨を使ってやっていこうとしているわけです。米ドル覇権を揺るがす恐れがある中で、アメリカは黙って見ていることはないだろうけれど、これは歴史的必然なのかもしれない〉

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