「アフターコロナ」海外旅行に熱視線 入国規制撤廃で「タイの首都・バンコク」注目スポットに行ってみた

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 新型コロナウイルスが世界を覆い尽くす前までは、海外への出張や旅行は極めて気軽なものだった。ほんの3年弱前までと今とでは、海外に飛び出していく際のコンディションが随分違ってしまったというのが現実だ。それでもついに、全ての人に対しての入国時(帰国時)の規制がなくなり、自由な気持ちで渡航、帰国ができるようになったのだが……戦争の影響などで航空運賃及び燃油料は大幅に値上がりし、その上日本円は急暴落。「数年振りに海外に出かけるなら、思い切ってうんと遠くに出かけて行きたい」。コロナ禍において“アフターコロナ”の旅先をそんな風に夢見ていた人も少なくないと思うが、一般庶民にはお財布事情がそれを許さない。それでも尚、海外渡航の夢をこの辺りで一度叶えておきたい。これから冬を迎え寒くなっていく日本列島から抜け出して、久しぶりに外の風に吹かれて刺激を受け、凝り固まった心をほぐしに出かけたいもの。初心に戻ってそろそろ海を渡ってみようではないか。写真・文 在本彌生(写真家)

まだまだ少ない日本人

 今回選んだ旅の目的地は東南アジア、タイ王国。羽田から6時間ちょっとで空の玄関口であるバンコクのスワンナプーム国際空港に到着した。秋真っ只中の東京からやって来ると、気温30度は結構暑く感じる。それでも雨季が終わりそうなこの時期、湿度は低めで快適だ。時差が2時間と少なく、到着したその時から頭も体も調子よく動き回れるのがありがたい。着陸後、空港内を促されるままに進み入国審査ブースに並ぶ。思った通りの長蛇の列だ。空港職員が早く出たかったら100メートル先の審査ブースに行きなさいとアドバイスしてくれたので、その通りにしたら、随分と並ぶ時間を短縮できた。それでも入国審査を終えてチェックインした荷物を受け取り空港を出るまでに45分ほどかかった。観光客の量はコロナ前のバンコクそのもの、完全に戻ってきている印象だ。特に寒くなり始めたヨーロッパからの人が多いように見える。日本人を含めアジア人の数はインドからの人々以外はまだ少ない。

タイに来たことを実感

 無事に入国を終えたら、スマートフォンのセッティング。以前は日本の空港のカウンターでよく見かけた海外用貸出ルータは、コロナ禍を経て需要が激減し淘汰されたようだが、私はWi-Fi機能だけ使えれば良いと割り切って、以前から使っている海外用Wi-Fiルータに日本のオンラインショップで買ったタイのSIMカードを挿入し準備完了。すぐにマップや情報収集ができる体制を作った。現在はそこそこ新しい機種のデバイスを持っていれば、eSIMを利用することができる。SIMを入れ替えることなく、タイの携帯電話会社と期間契約しプリペイド購入することで回線を利用できるという大変便利な方法もあり、国際電話契約をするよりも料金的にお得だ。

 到着初日は歓楽街から近く、日本人ビジネスマンには馴染みのあるエリア、スリウォン通りの「ル・メリディアン バンコク」に滞在した。部屋の窓から大きく立派な王立寺院、ワット・フアラムポーンが見渡せる。オレンジ色の尖った屋根が印象的だ。背後にあるビジネスセンターや公園の存在感を軽く超越していて、タイに来たことを改めて実感する。大都会バンコクのど真ん中にいながら、部屋にいればしっとりと落ち着いたムードに浸ることができるし、パソコンを開いての仕事がスムーズなロングデスクも配置されていて、モバイルワーカーには非常にありがたいしつらえだ。街中では喧騒を楽しみ、部屋に戻ったらリラックスして仕事もしっかりしたい、我儘な都会旅の必要条件がここでは叶えられている。旅の疲れを一気に解消したいとなれば、タイのベストスパに選ばれたことのあるホテル自慢の「スパ バイ メリディアン」で本格的なマッサージを受けてリフレッシュするのも良いだろう。清潔で香り豊かな空間でのプロの施術は、凝り固まった身体をほぐすだけでなく、小さな悩みくらいは一瞬で吹き飛ばしてくれるほど心地よく効果的だ。

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