アントニオ猪木さん、追悼番組延期の背景に“圧力”か 「放送すれば法的措置も辞さない」

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追悼番組も標的に

 猪木死して残された波乱は、遺骨の落ち着き先の問題だけにとどまらない。猪木の追悼番組にもまた横ヤリが入った。もともと今月10日午前9時15分からNHKでオンエアされる予定だった「アントニオ猪木・最期の日々」という番組は、

「昨年11月にNHK BSプレミアムで放送された90分のドキュメンタリー『燃える闘魂 ラストスタンド』の素材を再編集して流すはずでした。ところが内容の一部にズッコさんに関するエピソードや彼女と親しい猪木の前マネジメント会社の社員が登場するせいで、それが“反ズッコさん側”から問題視されたのです」(前出の知人)

 申し入れは強硬だった。

「ズッコさんに関わる場面をカットしなければ放送は認めない。その部分を切らずに放送しようものなら法的措置も辞さないとの姿勢を、NHKのスタッフらに伝えたのです。まるで“あの女の存在を猪木の歴史に残すな”という意志のようにも受け取れました」(同)
 結果、NHKは腰を折る形で番組の放送延期を決める。放送日のわずか3日前、今月7日に番組HPを更新。

〈編成上の理由で延期となりました〉

 と発表したのである。

「口では言えませんが、ひどい目に遭いました」

 NHKに経緯を質すと、

「取材制作の詳しい過程はお答えしておりません」

 映像から姿を削除されそうな、前マネジメント会社社員の男性にも聞いたが、

「会長が亡くなったばかりで、まだ気持ちの整理もついていないので、お話は控えさせていただきます」

 この点、先の啓介氏は本件に無関係としながら、

「湯川さんというか、今のマネジメント会社が報道のことは全部やってますから。そちらで決めているのでしょう」

 田鶴子さんへの思いは?

「口では言えませんが、ひどい目に遭いました」

 兄を遠ざけられたことへの遺恨はあるようだ。

 NHKに圧力をかけたのは誰か。湯川氏の代理人弁護士はメールでこう回答。

〈……直接、間接を問わず、番組制作チームなどに対して、ご質問のようなシーン等のカットを指示したことはなく、訴訟を起こす旨も伝えたことはありません。……猪木氏自身が、生前に、青森ではファンがお墓参りに来ることが難しいので、菩提寺である總持寺に埋葬され、あわせて、青森のお墓にも埋葬されるようにしたいという希望を述べていたことは、湯川氏も猪木氏から直接聞いており、認識しています〉

 リングで熱戦を繰り広げた男は、棺を蓋いてなお、周囲に争いの火種を残した。

週刊新潮 2022年10月20日号掲載

特集「死してなお“燃える遺恨”の火種 『アントニオ猪木』遺骨争奪戦の『行方』」より

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