中国「習近平」3期目突入で“ジリ貧”岸田政権に突き付ける「爆買い復活」のアメと「台湾独立不支持」の踏み絵

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“爆買いツアー”復活のカード

 11日、海外からの個人旅行解禁や入国者の上限撤廃など、新型コロナウイルスの水際対策が大幅に緩和され、観光促進による経済の底上げに期待がかかっている。

 そんななか、岸田首相みずから指示した優先目標「インバウンド消費の年間5兆円」の達成については、「中国人観光客が戻らないと到底不可能な数値」(自民党関係者)との声が身内からも上がっているのが実態だ。

「実は中国人の多くはいまも“日本に行きたがっている”のです。彼らが躊躇っているのは帰国すると10日間の隔離が待っていること。多くの中国人は“せめて隔離期間が3日程度になるなら日本に行きたい”と話しています。隔離期間の短縮程度なら、わざわざゼロコロナ政策を見直すまでもなく、習総書記のひと言ですぐにも実現できる。苦境に立つ岸田政権を中国はよく観察しており、“助け舟”を出すと見せかけてより大きな実利を得る“籠絡カード”をすでに複数用意しているとされます」(田代氏)

 “爆買いツアー復活”のほかにも、岸田政権が「一丁目一番地」と位置付ける経済対策に一見、絶大な効果を発揮するように見えるカードとして、関税の撤廃や直接投資の促進なども俎上にあがっているという。

「もちろん、その見返りとして、習総書記は『ひとつの中国政策』の堅持、つまり岸田首相に“台湾独立を支持しない”といった言質を求めてくる可能性が高い。その時、支持率も経済もボロボロのままであれば、果たして岸田首相は中国側の提案を毅然と撥ね付けることができるのか。“絶対権力”を手にした習総書記は岸田首相が飲まざるを得ないタイミングも慎重に見極めながら一気に攻勢を仕掛けてくるでしょう。実際、巨大な生産工場を上海で建設・操業している米電気自動車(EV)大手テスラ社のイーロン・マスクCEOは“台湾は特別行政区として高度の自治実現が可能”と述べ、台湾の“香港化”を提案している。習総書記は岸田首相にも同じ道を歩ませようと、巧妙な仕掛けを伴った経済カードを切ってくるはずです」(田代氏)

「踏み絵」を迫られた際、お得意の“聞く力”が発揮されないことを願うばかりだ。

デイリー新潮編集部

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