健康長寿のカギは「選択」にあり 「生活習慣改善法」と医療の新常識「SDM」を専門家が解説

ドクター新潮 ライフ

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コロナ禍だからこそ

 この医療における新潮流を踏まえ、当院の心血管センターでは、時間をかけて心臓に関する医学的情報をしっかり共有した上で患者さんと治療を決定していくSDMを体現した外来「SDM外来」を今年11月頃に開設する予定です。

 コロナ禍によって受診控えが起きているとも聞きます。その結果、医師と患者さんのコミュニケーションが不足し、自分でも気が付かないうちに症状が進んでしまうこともある。このような状況だからこそ、医師との積極的なコミュニケーションが大切になります。その時に、きっとSDMという考え方が助けとなるはずです。

 そして多様性の時代だからこそ、生活習慣においても医療においても、「選択」の持つ意味と重みに改めて思いをはせていただければと思います。健康長寿は「良き選択」の賜物なのですから。

浅野 拓(あさのたく)
聖路加国際病院・心血管センター循環器内科医師。 1979年生まれ。日本内科学会専門医、日本循環器学会循環器専門医。浜松医科大学医学部卒業後、聖路加国際病院にて臨床研修を修了。オランダのアムステルダム大学にて医学博士を取得。虚血性心疾患や弁膜症の治療を中心に行い、これまで500人以上のカテーテル治療にあたってきた。今年7月、『健康寿命を延ばす「選択」 “見える化”すれば、“合理的に”選べる』(KADOKAWA)を出版。

週刊新潮 2022年10月6日号掲載

特別読物「人生100年時代の『健康長寿』のカギ 医療の新常識 『SDM』と生活習慣の『良き選択』」より

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