丸山礼に3時のヒロイン・かなで なぜ女性芸人“ポジティブなブス”役ばかり?

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 人気コミックが実写ドラマ化、というのは今や珍しくもないが、芸人が主演を務めるとなるとまだまだ珍しい。来年1月に放送開始の「ワタシってサバサバしてるから」(NHK)の丸山礼さん、そして11月スタートの「デブとラブと過ちと!」(TOKYO MX)の3時のヒロイン・かなでさんのキャスティングが発表された時も、賛否両論があったようである。

 役者としての芸人の起用は視聴者を引きつける効果もあるが、演技次第では雰囲気を台無しにしてしまう。特にシリアスなドラマでは、議論を呼ぶ。近年では「テセウスの船」での霜降り明星・せいやさんの役や展開は批判を浴びた。一方で「大豆田とわ子と三人の元夫」での東京03・角田晃広さんのように、多才さを改めて見せつけた人もいる。もともとコントでも彼の演技力は折り紙付きだったが、同ドラマではエンディング曲をクールに歌いこなす一面も見せて大人気に。またドランクドラゴンの塚地武雅さんや、ネプチューンの原田泰造さんらも役者として引っ張りだこだ。純朴ないい人から憎らしい悪役まで幅広く演じ分ける塚地さんは、映画賞の新人賞も複数取っている。芸人が俳優ヅラして、という批判は彼らには及ばない。

 しかし女性芸人となると少し風向きが変わってくる。基本的に、芸人キャラの延長線上の役柄がほとんどだ。明るく主人公の恋を応援する同僚役や、ノリのいいご近所さん役。朝ドラ「舞い上がれ!」でも、クワバタオハラのくわばたりえさんがにぎやかな母親役で登場して話題をさらった。

 そんな中、「花子とアン」のハリセンボン・近藤春菜さんや、「下町ロケット」のイモトアヤコさんなど、視聴者の涙を誘うシリアスな演技を見せた人もいる。絶賛される一方、バラエティーの時とあまりに違う姿に戸惑いや気恥ずかしさを感じたという視聴者もいたようだ。それだけ女優としての存在感を発揮していたということだろうが、男性芸人に比べると理不尽な評価を受けがちかもしれない。演技力がなくても酷評されるし、一生懸命演じても「女優気取り」「話題性だけ」とけなされる。そのせいか、女性芸人に割り当てられるキャラが固定化されてきた気がするのだ。それが、「ポジティブすぎるブス」である。

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