独占インタビュー 分断危機の「神社本庁」トップが語った「内紛の真実」

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話がいつの間にか変化

――宿舎の売却そのものについても、問題はなかったのか。

田中 売却した川崎の職員宿舎は、老朽化が進んでいて、住む人が少なくなっていました。後で分かったことですが、建物も欠陥だらけの、ひどい宿舎だったのです。神社本庁の財政を立て直す検討会が立ち上げられ、財務状況を健全化する動きの中で、宿舎を売却しようということになりました。この話が進んでいく際に、売却を担当する者が私のところにやってきて、「全く高く売れない」と相談してきた。「貴重な財産なんだから、少しでも高く売った方がいいんじゃないか」と私が言って、さらに、昔から神社本庁と付き合いのある、ある不動産業者さんの名前をあげ、「一応相談してみたら」という話をしたんです。これは事実です。それが、いつの間にか、私がその不動産業者にしろ、と命令したかのように話が変化していってしまった。

 そして、本来、3億円くらいの価値があると言われる不動産を、1億8400万円という値段で売り、その差額を私が懐に入れているのではないか、という疑惑が騒がれたのですが、実際は3億円の価値はなく、もちろん差額を懐に入れてもいません。これは背任ではない、とさきに述べた裁判の判決文にも書かれているんですよ。これまで何度も説明していますが、それでも、いまだにその話はなくならず、何か特定の意図でもあるのか、何度も何度も蒸し返される、という状態なのです。

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