独占インタビュー 分断危機の「神社本庁」トップが語った「内紛の真実」

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 神社本庁と言えば、全国8万社の神社を取りまとめる日本最大の宗教法人だ。我々が日常的に手を合わせる神社のほとんどが、この神社本庁に属しており、実は日本人にもっとも馴染み深い宗教法人と言えよう。そんな神社本庁が今、事務方トップである「総長」の人選を巡って、分断の危機に瀕している。既に様々な媒体がこの件を報じてきたものの、これまで沈黙を守って来た、渦中の人物が騒動後初めて、デイリー新潮の独占インタビューに応じた。

前代未聞

 まずは一連の騒動を簡単に振り返ってみよう。発端となったのは、今年5月28日に開かれた臨時役員会。神社本庁の事務方のトップである総長を、集まった役員17人の中から選出する話し合いが行われた。そこには、神社本庁のもう一つのトップの地位にあたる、「統理」という役職に就いている鷹司尚武氏も臨席していた。ちなみに統理とは、宗教団体としての神社本庁を統べる地位だ。上皇の甥にあたる鷹司尚武氏は、伊勢神宮のトップにあたる大宮司を務めた後、2018年に統理に就任した。

 その鷹司統理が、5月28日の役員会において、新総長に、理事の一人、芦原高穂・旭川神社宮司を突然指名。しかし、役員の多くはその人選を支持せず、現職の総長である田中恆清・石清水八幡宮宮司の続投を望んだため、新総長決定は次回の役員会に持ち越された。が、その直後の6月6日、芦原理事は、自らが新総長に選ばれたとして、法務局に変更登記申請を行ったのである。神社本庁はその動きを察知し、芦原氏が総長の地位にないことを確認する仮処分を申し立て、その主張は認められていた。

 前代未聞の事態が、今もって続いている。一体なぜこんなことになったのか、デイリー新潮では、渦中の田中恆清総長に取材を申し込んだ――。

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