錦鯉は大ショック…… 放送作家の放ったツイートで業界に衝撃が走ったワケ

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 放送作家のツイートに業界で衝撃が走った。《いよいよ、これもコンプラNGを食らってしまいました。》とのつぶやきと共に投稿された写真は“ハリセン”だった。バラエティ番組の定番小道具が、コンプライアンスに引っかかるようになったというのだ。

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 ハリセンといえば、チャンバラトリオの南方英二師匠(1932~2010年)が考案した“張り倒すための扇子”で、彼らのコントでは「大阪名物ハリセンチョップ」として名高い。今もツッコミを象徴する小道具といっていいだろう。民放ディレクターは言う。

「紙製のハリセンは、音は大きくてもそれほど痛くない“ツッコミアイテム”として、昭和に時代から重宝されてきました。それが禁止になったというのだから、穏やかではありません。ツイートした放送作家の辻井宏仁さんは、テレビ東京の『ありえへん∞世界』や『男子ごはん』、ドラマ『~元気の出るごはん~タチ喰い!』などの脚本も手がけています。Twitterには【補足】として《今回、罰ゲーム的な使い方がNGとの判断でした。ちなみに同じ番組内で今年の4月時点ではセーフでした。スピード感。》ともありました。今年4月15日にBPOが公表した“痛みを伴う笑い”が影響していることは間違いないでしょう」

 4月15日、BPO(放送倫理・番組向上機構)の青少年委員会が公表した、“痛みを伴うことを笑いの対象とするバラエティー”は他人の心身の痛みを嘲笑する演出であり、それを視聴する青少年の発達に影響を与える可能性がある、という見解のことだ。

テレビ局の自粛

「SNSを見ると、BPOがハリセンを禁止にしたと考えた人もいるようですが、そうではありません。実際は、テレビ局側がコンプライアンス違反に当たると判断してカットするよう指示したようです」

 辻井氏は別のプラットフォームnoteで、より詳しく説明している。

《先日とある番組の収録で/ちょっとしたオチとしてハリセンを使ったのだが/ハリセンを扱ったシーンが丸ごとカットされた。/局側がコンプライアンス違反と判断したという。/(全局でハリセンが禁止された訳ではない)/ハリセンもダメなのか、/と意外だったので、/Twitterで呟いたところ想像以上の反響があり/およそ1万5千件のリツイートにより/あれよあれよと拡散され/引用リツイートも含めると/実に2500件ものコメントが寄せられた。》

 大きな反響があったようだ。

「今のところ、“とある局”の“とある番組”での判断というわけですが、局側が自粛したことに複雑な思いです。BPOの影響力が大きくなり、コンプラのNGラインがさらに厳しくなったように思います。今後はより厳しくなる可能性があります。お笑いタレントの中にもこうした状況を危惧している人は少なくありません」

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